ウブルハンガイ・アイマグで製紙工場が稼動(2010年5月26日)

ウブルハンガイ・アイマグの県庁所在地(アルバイヘール市)で製紙工場が稼動を開始した。

この工場は、「アリオン・ビルグーン(注:「聖なる知恵」の意)」社の所有であって、生産された紙は、廃紙とパルプを加工して作られ、人体に無害で、水に溶けやすい。年産40〜50万トンの紙が市場に供給される。1ロールの価格が230トグルグである。


(注:アリオン・ブランドのトイレット・ペーパー。浴室用ペーパーと書いてある。売価779トグルグ。筆者写す)

当社は、政府キャンペーンの「産業支援年」に組織された「中小企業開発基金」からの融資6500万トグルグによって、この工場を設立した(ウヌードゥル新聞2010年5月27日付電子版)。

この意義は、第一に、モンゴル人自身がモノ作りを始めた、ということである。こうした事態は近年少しずつではあるが始まっている。皮革製品靴下乳製品加工セメントなど。筆者も今までこの「モンゴル時評」で紹介してきた。

第二に、地方産業が立ち上がったということは、当地における失業問題解決のための糸口を与えることになるであろう。このことは、地方での貧困を緩和させ、その結果、それが首都ウランバートル市への人口移動の歯止めとなるであろう。

「地方での産業振興」といえば、南(ウムヌ)ゴビ地域のインフラ開発のために、「南(ウムヌ)ゴビ地域評議会」が設立された(注:会長は、Х.バダムスレン国会議員。彼は、ウムヌゴビ・アイマグ出身で、モンゴル・ロシア合弁企業「ボルウンドゥル」社元社長。ウヌードゥル新聞2010年5月24日付電子版)。

これは、タバントルゴイ、オユトルゴイ、ツァガーンソバルガ、ナリーンソハイト、シベーオボーなどの鉱山に依拠して経済開発を目指すもので、2015年にはモンゴル人一人当たりGDPを5250ドル(2009年の2.7倍)にする目標を持つ(ウヌードゥル新聞2010年5月27日付電子版)。



また、国家資金160億トグルグによって「開発銀行」が設立される(ウヌードゥル新聞2010年5月26日付電子版)。

こうした国家による大規模プロジェクトは、地方での産業振興があって初めて成功するものであろう。(2010.05.30)

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