
モンゴル皮革業の設備投資に係る税金を2012年まで免除(2009年9月2日)
С.バヤル政権は、皮革業の設備投資に関する輸入関税と付加価値税を2012年まで免除することにした。
モンゴルには現在、38の皮革加工業者、200の皮革完成品製造業者がいるが、これらはすべて中小企業の範疇に属する(ウヌードゥル新聞2009年9月2日付)。
(ウランバートル・ポスト新聞2009年9月4日付より再掲)。
この施策の意義はというと、第一に、皮革加工業者は、皮革の脱毛、中和、染色、洗浄時に、大量の水を利用する。従来の技術では、この大量に利用された水が工業廃水となって、環境を汚染してきた。だから、環境汚染を防止するために、廃水処理および再利用施設の建設・導入が緊急の課題となっていた。
第二に、モンゴルは、牧畜業を産業の基礎とする国である。畜産品の加工・製造を行い、この製品を国民に供給し、余剰品を輸出すれば、国富が豊かになり、民生が安定し、国家が発展する。
現在のところ、こうした機械設備品は輸入に頼るしかない。であるから、企業規模弱小な皮革製造業者にとって、輸入関税と付加価値税(注:現在は10%)は低税率であるほうがいい。
第三に、モンゴルの発展は、中小企業者を支援し、育成することによってもたらされる。
第四に、モンゴルでは、1990年以前には、良質の羊皮コートを輸出していた。1990年代以降、こうした製造工場が崩壊してしまった。従って、モンゴル産業の再生という意味でも意義がある。
現在、ダルハン・ネヒー社などが良質の皮革製品を生産・販売している。こうした企業を支援することは大切なことなのである。
(羊皮コートは、厳寒期の必需品である。これは、筆者所有のもので、極めて暖かく、良質である。
モンゴルは、こうした製品の製造販売輸出を促進するべきである)。
С.バヤル政権は、「開墾V」キャンペーンによって、食糧の自給政策を推進している。また、最近、トゥブ・アイマグ、ジャルガラント・ソムに酪農施設(注:「スー」酪農会社による)が建設され、牛乳の自給(注:現在、モンゴルでは牛乳でさえ輸入に依存している)の動きが見られる(ウヌードゥル新聞2009年8月31日付)。
このように、1990年以前にあった伝統的な産業を復活・育成・発展させることは、モンゴルの歴史的発展に適合した道なのである。(2009.09.06)
