
今秋の収穫期に学生が動員される(2009年9月9日)
モンゴル学生連合、教育文化科学省、食糧農牧業軽工業省は、今秋の収穫期に、農牧業大学、国防大学、国境警備大学、警察アカデミーの三・四年の学生たちを収穫作業に動員する。
現時点で、建築大学の学生80人、農牧業大学の学生50人、イデル大学の学生35人が研修を受けている(ウヌードゥル新聞2009年9月9日付)。
さらに、教育文化科学相Ё.オトゴンバヤルは、2009年9月9日、
「開墾V」に参加した学生のうち、優秀な結果を残した学生3人に対し、国庫から報奨金を授与する、というキャンペーン(注:モンゴルではこれを「リアリティー・ショー」といっている)を実施する、と発表した。
映画大学の学生Л.エンフジンは、「僕は、うれしい。僕の両親も学生の時、国営農場の収穫作業に参加した。当時のように僕も農作業に参加できるわけだ」、と語った。
学生たちは、同日の9月9日、旧ズーンハラー国営農場(注:トゥブ・アイマグにある)に向かった。彼らはそこで収穫作業に従事する(ウヌードゥル新聞2009年9月10日付)。
さて、この事態の意義は、第一に、モンゴルの大学は、3〜4年次に学生たちを社会の各分野で実習させ、卒業後のための職業訓練をさせる制度がある。実際には、この実習は派遣先が少ないこと、期間が60日であることからその効果が限定的であること、などによって、制度的な行き詰まりを見せている。だから、この収穫作業の実習に学生たちを動員することで、こうした制度的限界を打破できる。
第二に、昨年からС.バヤル政権によって実施された「開墾V」運動は、昨年度、国内自給率が小麦50%、ジャガイモ100%、野菜49%にまで回復した。今年度には、小麦、ジャガイモの100%自給が可能だとみられる。そのために、学生の動員がその十分な裏付けとなるであろう。
第三に、Л.エンフジンが語っているように、こうした学生の労働体験は、1990年以前に制度としてあった。だから、この事態もまた、モンゴルの歴史に適合した方法といえるであろう。
「スピルト・バル・ボラム」酒造会社の使用したバイオ原料からガソリン燃料を製造する、という「モンゴル独自の国内生産の開始」もあり(ウヌードゥル新聞2009年9月10日付)、モンゴル史は、С.バヤル政権によって徐々に前進を開始した。(2009.09.13)
