
「ヤンマル」靴下工業:モンゴルの自生的発展(2009年10月12日)
Д.ハグバジャブという若者がいる。
彼は、韓国の靴下工場に出稼ぎに行った。まじめに働き、靴下製造技術を習得して帰国した。
彼は、帰国後、「ヤンマル」靴下工業を設立した。
最初は、狭い部屋で、1台7000ドルの機械2台を使い、従業員5人と共に、靴下を製造した。
現在は、自前の2階建ての広い部屋に移り、機械14台、従業員20人以上に成長した。
彼は、外資の助けを借りず、自力で創業した。従業員はすべてモンゴル人である。
「ヤンマル」社製の靴下は、「ナラントール」・ザハでは人気がある、という。一日に1000〜1500足の靴下を作っている。現在、原料の糸は、韓国から輸入しているが(現在、モンゴルにはないから)、将来はモンゴルで作る。靴下の需要は大きい。
また、らくだ毛製の靴下も作っている。
現在、20の会社と個人が内外市場にこの靴下を供給している(以上、ウヌードゥル新聞2009年10月12日付より)。
(注:「ヤンマル」靴下工業。ウヌードゥル新聞2009年10月12日付より再掲)
今までに本「時評」で何度か論評したように、С.バヤル政権は、現在、各分野で経済自立の動きを支援している。
「経済自立」は、モンゴル国民一人一人の努力を政府が支援することによって達成される。外資に頼らないД.ハグバジャブのような若者が数多く出現することがモンゴルにとって必要なのである。
かつて、中国企業「モンゴル・ホン・ホア」紡績工場がモンゴルで操業していた。その労働環境は劣悪で、そこで働く女子労働者は機械のように扱われていた。
過去に5回大事故を起こしていた(ウヌードゥル新聞2004年2月11日付)。
こうした労働問題の背景には、モンゴル人自身の生産活動が生まれていないことがあった。
その間隙を縫って、外資がモンゴルを蹂躙していた。
モンゴルの、モンゴル人自身による自生的発展に注目したい。(2009.10.18)
