
民主党に内紛(2005年06月03日)
またもや、というか、民主党が揺れている。
その火付け役は、これも例によってバーバルである。バーバルは、「民主党は死んだ。弔鐘を打て」、というタイトルの論説をウドゥリーン・ソニン新聞(2005年06月03日付)に書いた。内容は至って普通のもので、大統領選挙に敗北した責任を指導部がとるべきである、というものであった。ただ、彼の筆にかかると、どういう訳かセンセーショナルになる。
バーバルは、その思想的基盤が「反人民革命党」、「資本主義擁護」、「反ロシア(ソ連)」、である。思想は自由であるから、それは問題ない。ただ人を人と思わない書き方によって、
筆禍事件を時々引き起こす。
それに呼応するかのように、アマルジャルガル同党副党首は、大統領選挙敗北の責任を取り、自ら辞任することを表明した(ウヌードゥル新聞2005年06月09日付)。アマルジャルガルのいうところは次のように要約できる。1)民主党は党内民主主義を回復させ、「発展」の新しい思想を必要とする。2)民主党は統一した思想の党なのか、官職を求める人々の集合体なのか。3)民主党は勢力を盛り返したというのは実態に合わない。
また、Б.エンフツェツェグ記者は、次のように解説する。民主党に強力な指導力が不足している。ゴンチグドルジを更迭して、「新しい血」を注入すべきであろう。大統領選挙敗北は指導部の敗北でもある。民主党は、アルタンガダス、民主同盟、民族民主党系というグループに分かれて内紛を繰り返している。人民革命党にはムンフオルギル、С.バトボルドという若い人々が登場して来たのに比べ、民主党指導部は50歳近くになっている。民主党は国民が何を望んでいるかに無関心である。また、新しい投資者は反対党(注:人民革命党など)の方に向かい始めた(ウヌードゥル新聞2005年06月09日付)。
民主党内では、武断派というか、常に目立った行動をとるのがグンダライとバトウールである。グンダライは、「人民革命党会派に加入した人々を除名すべき(あるいは責任をとらせるべき)である。民主党に(自分のような)第二世代の指導者が必要になっている。私は党を指導できる」、と名乗りを上げた。バトウールも、「民主党を解体させてはならない。現在の指導部を更迭させるべきである」、と述べた(ウヌードゥル新聞2005年06月09日付)。
この二人が出てくると、まとまるものもまとまらなくなるきらいがあるのであるが、それはともかく、ゴンチクドルジ現指導部はこの動きにどう対応するか、注目される。
民主党は、1999年12月06日、2000年国家大ホラル(国会)議員選挙に際して、設立された。党内は、資本主義者から社会主義者まで、雑多である。であるから、この「モンゴル時評」でたびたび指摘してきたように、内紛が絶えなかった。その極めつけは、これも前に書いた、
「国家大ホラル(国会)人民革命党会派加入」、という事態であった。ゴンチクドルジ民主党党首が人民革命党会派副会長になっている。
民主党が官職を求めるだけの党にとどまっておれば、国民はいずれこの党を見限るであろう。(2005.06.14)
