第1回企業経営者大会開催(2004年04月12日)

第1回「企業経営者大会」が、2004年04月12日、モンゴル商工会議所主催(モンゴル政府後援)で、「UBパレス」において開催された。

普段はディスコ、バーとしてにぎわいをみせるこの歓楽場に、ビジネスマン、政府高官たちが集まって、モンゴルにおける企業経営の問題点が報告された(企業名を秘して)。この様子がテレビのニュースでも報道され、かのボヤン社のジャガーことジャルガルサイハン(共和党党首)も出席しているのが映し出されていた。

大会報告での焦点は、官僚主義が企業活動の障害となっているという問題点であった。来賓として出席したエンフバヤル首相は、この点につき善処することを約束した(ウヌードゥル新聞2003年04月13日付)。

政府は、その方策として、1)個人企業の業種とサービスのリストを作成する(入札により仕事をする企業を決定する)、2)中小企業の企業経営者に特恵融資を与えるための共同ファンドを調査・設立する、3)企業経営活動の改善を促進する、4)企業活動を世界水準にするための資格審査制度を創設する、4)融資受給資格審査局の活動を積極化する、ということを決定した(モンツァメ通信20004.04.12)。

大会では、官僚主義に付随する汚職の具体例が報告された。例えば、1)土地関係局は(これが官僚主義の最たるものである)、申請企業に対し、土地を利用するのに69通の許可証を求めること(注:この繁雑な作業を「円滑」にするためには賄賂が必要であることは言うまでもない。この点につき、ウヌードゥル新聞[2004年04月05日付]はルポ記事を掲載している)、2)モンゴル税関は、10万〜50万トグルグの賄賂を要求すること、3)会社認可後、90日は政府の監視下に置かれ、罰金が科せられるが、その金額の10〜20%は賄賂であること、などであった(ウランバートル・ポスト紙2004年04月15日電子版)。

さて、これに関して指摘できるのは、政府が企業活動に積極的に関与している点である。その背景には、モンゴルが社会主義の伝統を継承しているが指摘されうる。1992年の新憲法では、混合経済を明記している(注:法制面から見た、1990年代以降のモンゴルの性格は、「法制面から見た1990年代モンゴルの特徴」参照)。それに付随する否定的側面が、上の「官僚主義に付随する汚職」である。こうした点の除去が、モンゴル国民の経済活動に不可欠であるのは言うまでも無かろう。

だが、各企業(そのほとんどが零細企業)による問題点の報告と、政府の方策とは全く噛みあっていない。政府は企業資格の厳格化を推進しようとするし、企業がそうした作業の繁雑さを忌避する。政府は企業(零細企業)の要求には応えていない。

このパターンは、一方では、政府によるホルショー(協同組合)推進でも指摘できた。

すなわち、政府が経済に関与する伝統は、上のように新憲法でも明記されているのだが、それに伴う官僚主義と汚職に対する方策は、何ら効果的ではないのである。この点で、市民の意志・共和党のААА-БББ政策はまだ肯定面が多いと思われる。(2004.04.18)

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