
「モンゴル家畜」計画が国家大ホラル(国会)で承認(2010年5月20日)
国家大ホラル(国会)は、2010年5月20日、この「モンゴル家畜」計画を承認した。
以前にも述べたが、この計画によって、獣医サービスの拡充、種付け、家畜群の構成、家畜の病気の撲滅、畜産品の品質向上などの方策が講じられる(ウヌードゥル新聞2010年5月21日電子版)
再説になるが、「モンゴル家畜」計画のもとで、2015年までに、牛、ラクダのブルセラ病を根絶させる。2021年までには大家畜(牛、ラクダ、馬)すべてからそれを根絶させる。
現在、家畜頭数は4300万頭で、2億2310万トンの肉を市場に供給しているが、その価格が年々上昇している。
家畜はすべて私有である。
そのためゾドなどの災害のために蒙る被害は、個人負担で対処しなければならないし、飼料も自ら備蓄しなければならない。
だが、牧民たちはそのすべてを備蓄することができない(以前より20〜30%低下した)。
このため、政府が牧畜業部門に留意する必要がある(法制、金融、家畜構成、組織面で)。
なお、家畜を担保にして融資を受けている牧民は、総融資額の9%(注:2010年4月時点で630億トグルグ、そのうち、不良債権化している割合は10%)を占め、そのほとんどは(注:98%)、ハーン銀行(注:農牧業銀行。日本資本、経営責任者は米国人)から融資を受けている(ウヌードゥル新聞2010年5月21日電子版)。
この「モンゴル家畜」計画の意義は、
以前の時評のとおりであるから繰り返さないが、モンゴルの歴史は、今までの歴史からの飛躍であることはありえず、過去の歩んできた道の継承によって進むものであることを強調しておきたい。(2010.05.23)
