国家大ホラル(国会)議員選挙を6月29日に実施すると正式に発表(2008年05月14日)

選挙管理委員会は、2008年5月14日、国家大ホラル(国会)議員選挙を2008年6月29日に実施する、と正式に発表した(ウヌードゥル新聞2008年5月15日付)。

この結果、モンゴルの各党はこれから立候補者を選び、選挙戦にはいることになる(注:実質的にはもう開始されている)。

これに先立ち、人民革命党は、選挙綱領のキャッチフレーズを「公正さと責任ある政治が生活水準を向上させる」、と発表した。その選挙綱領では、経済成長を毎年10%にして、2012年までに、一人当たりGDP5000ドル、年金額を3倍、6万カ所の就業機会を創出する、としている(ウネン新聞2008年5月14日付、およびウヌードゥル新聞2008年5月14日付)。

民主党も、選挙綱領10項目を発表している(注:著者は未読)。

その他の政党も、今後、選挙綱領を発表するであろう。

2008年の国家大ホラル(国会)議員選挙の最大の争点は、「物価値上がり問題」になると思われる。

政党支持率に関しては、「ボロル・トリ」「トゥグス・シーデル」両センターが行った「明日選挙を行うとすればどの政党に投票するか」という世論調査の結果が、2008年5月6日、公表されている。

それによれば、人民革命党25.5%、民主党27.5%、市民の意志党3.3%、共和党3.1%、市民運動党3.1%、であった。また、「新人を選ぶ」と回答した人が30%いた(ウヌードゥル新聞2008年5月7日付)。

今のところ、人民革命党と民主党の支持率が拮抗しているようであるが、С.バヤル(人民革命党党首)に対する支持率が高く(注:60%台)、エルベグドルジ(民主党党首)への支持率が徐々に低下している、という現状にあって、選挙結果を予測するのは、まだ時期尚早であろう。

ただ、人民革命党は「社会主義回帰」(注:特にС.バヤル)の傾向を強くし、民主党は米国流「小さな政府」(注:特にエルベグドルジ)を志向している。モンゴル国民は、このいずれを選択するかが注目されよう。(2008.05.18)

(追補)2008年国家大ホラル(国会)議員選挙には、12党、1同盟が出馬する。届け出順に、人民革命党、市民連合(緑の党、市民運動党、社会民主党)、開発計画党、自由行動党、民主化運動党、伝統統一党、市民の意志党、民主党、国民党、共和党、自由党、民族新党、祖国党である。有権者数は167万3731人(人口260万2325人、ウヌードゥル新聞2008年8月22日付)。(注:国民党は党首グンダライが脱党し、民主党に加わった。共和党、民族新党、祖国党は、各選挙区での立候補者調整という形態での緩やかな同盟を結成している。それを勘案する必要があるだろう)

市民の意志党は、同党国民委員会を開き(2008年5月18日)、選挙綱領を承認した。

それによると、
1)3А、3Б政策に加えて、25万8000の就業機会を新たに創出する。
2)毎年8月ごとに8000戸のアパートに入居させる。
3)ウランバートルの大気汚染を68%低減する。
4)地下鉄建設などのインフラを整備する。
5)鉱山部門からの収益から教育分野に8%投資する。
6)8000人の若者を国家負担で外国の大学に留学させる。
7)インフレを8%に抑制する。
8)国家予算の公開性を強めることによって汚職と闘う。
9)国家公務員の平均給与を80万トグルグ、最低年金額を18万トグルグにする。
10)教育への支援として、18〜28歳の若者に1度限りで8万トグルグ支給する、
などである(ウヌードゥル新聞2008年8月20日付)。(2008.05.25)

(追々補)民主党も選挙綱領を発表した。それによると、10項目からなっていて、要約すれば、「個人の権利と自由」の擁護、「官僚主義」排除、「自由な経済活動」の奨励、「最小限の政府の干渉」、となる(ウヌードゥル新聞2008年6月3日付)。これは、初期資本主義的発想であって、時代錯誤なものである。(2008.06.05)

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