
閑散とした2007年度秋期国家大ホラル(国会)開会(2007年10月01日)
「3議員の議員資格停止」不支持採決で閉会した、2007年春期国会から1日おいて、2007年度秋期国家大ホラル(国会)が、2007年10月01日、開会された(出席議員52人)。
恒例により、まず、ルンデージャンツァン国家大ホラル(国会)議長が、冒頭演説を行い、1)「モンゴル発展戦略」策定、2)千年試練計画実施(注:米大統領ブッシュの提案で世界各国に相当額の「融資」「援助」が行われる。要するに、米国による米国のための当該国取り込み政策)、3)アイバンホーマインズ社との「投資契約」審議、4)2008年度予算承認、5)М.エンフボルド政府財政政策の承認、など重要法案が控えている、と述べた。
次いで、エンフバヤル大統領の冒頭演説は、「номт тθр」(注:近代的な考え方に基づく責任と道理のある政治、の意味)が必要である、というものであった(ウヌードゥル新聞2007年10月2日付)。
М.エンフボルド首相は、これも例によって、冒頭演説をしなかった。しかも、彼は、翌日には、オーストリア、ルクセンブルグへの公式訪問を行う。
今国家大ホラル(国会)は、静かに幕を開けた。ルンデージャンツァン議長が力説するように、重要法案が数多く控えているのに、である。なぜか。
第一に、М.エンフボルド政権を構成する、人民革命党、祖国党、民族新党、共和党のうち、最大与党(38人)である人民革命党は、今月10月22日から3日間の予定で、第25回党大会を開催する。
その最大の問題は、М.エンフボルド党首(注:首相)の続投に関してである。
現在、エンフバヤル大統領派とМ.エンフボルド首相派との確執が強まっている。エンフバヤル大統領(注:前党首)が仕掛けた「3議員資格停止」問題は、不首尾に終わった。
そこで、エンフバヤルは、その冒頭演説が、その敗北感を隠蔽するべく、責任と道理ある政治を説く、「格調高い」ものにならざるをえなかった。
これを真剣に受ける議員は数多くはいなかったであろう。
次に、最大「野党」である民主党(25人)は、2004年選挙時の「祖国・民主」同盟を自ら解散させ(注:現在入閣している祖国党が仕掛けたものだが)、議会会派結成資格を失った。だから、民主党は、国家大ホラル(国会)冒頭演説の資格がない。
その欠を補うべく、民主党は、国家大ホラル(国会)外で、記者会見を行い、М.エンフボルド首相の海外出張延期させ、セレンゲ・アイマグのマンダル・ソムでのヘリ墜落事故の責任問題を解決し、政府閣僚が責任をとること求めた(ウヌードゥル新聞2007年10月2日付)。
民主党は、選挙に向けた政略上の理由で、「3議員の議員資格停止問題」の審議・採決をボイコットしたことからもわかるとおり、どうも信用のおけない政党である(注:だが、最近の世論調査の結果では、政党支持率は、民主党が人民革命党を若干上回っている)。
いずれにしろ、野党による冒頭演説での政府批判がない以上、国家大ホラル(国会)が閑散とせざるを得ない。
こうして、2007年10月5日に開催予定であった、国家大ホラル(国会)総会も、議員定足数不足のため、開催されなかった(ウヌードゥル新聞2007年10月6日付)。
これが「嵐の前の静けさ」になるのかどうか、未だ不明である。(2007.10.07)
