
国家大ホラル(国会)第46選挙区補欠選挙をどう見るか(2006年09月02日)
О.エンフサイハン議員(民主党選出)死去に伴う、国家大ホラル(国会)第46選挙区(フブスグル・アイマグ)補欠選挙が2006年09月02日に実施された。
その暫定結果が全国選挙管理委員会委員長Б.バトトルガによって、2006年09月04日、記者会見で発表された。
それによれば、有権者15551人の内、12393人が投票し、投票率は79.69%だった。
立候補者の得票率は、θ.エンフトゥブシン(人民革命党)56.74%(6929人)、О.オトゴンサイハン(民主党)40.65%(4964人)、П.デルゲルジャブ(祖国党)0.94%(115人)、Л.デルゲルダライ(国民党)0.71%(87人)、Ч.バザル(市民の意志党)0.66%(81人)、Л.テムージン(伝統統一党)0.20%(25人)、С.バヤンマンライ(共和党)0.07%(5人)で、この結果、θ.エンフトゥブシンが選挙に勝利した(ウヌードゥル新聞2006年09月04日付電子版)。
この選挙結果に対し、敗北した民主党の党首エルベグドルジは、「フブスグルの人々は、脅迫と金銭の影響下に選挙を行った。」 З.エンフボルド(民主党)は、「人民革命党は選挙費用に20億トグルグ近くを使った。その出所は、貯蓄信用組合から詐取した金と、税関の賄賂の金である。」 バトウール(民主党)は、ムルン市(注:フブスグル・アイマグの政庁所在地、日本的にいえば県庁所在地。今回の補欠選挙には含まれない)から人民革命党候補者の出身ソムへの住民の多量移動が行われた。」と述べた(ウヌードゥル新聞2006年09月06日付)。
一方、勝利した人民革命党内の「伝統・革新ー民主・公正」グループのメンバー、Д.バトジャルガルは、「『伝統・革新ー民主・公正』グループの勝利である(注:立候補者θ.エンフトゥブシンはこのグループの代表)。人民革命党の改革がフブスグルの人々に支持された。民主党の地方党員も同グループの主張を支持した。『伝統・革新ー民主・公正』グループのメンバーの90%近くが選挙運動に参加した。」と述べた(ウヌードゥル新聞2006年09月06日付)
このような見解は、敗者と勝者によって常に行われてきた。
第三者による見解を紹介する。
フブスグル・アイマグで調査を行った「レイティング・PR」社長Д.ボルドホヤグは、「θ.エンフトゥブシンの勝因は、有権者が彼の人柄(誠実、教養、政策実行力)を評価したことである。θ.エンフトゥブシン(人民革命党)は公正な選挙運動を他陣営に呼びかけていたのに対し、相手陣営は攻撃を繰り返した。これが人民革命党立候補者の勝因であった。民主党は党首をゴンチグドルジからエルベグドルジに交代された以外、何も行わなかった。その他の党は選挙戦術がまずかった。」と述べている(ウヌードゥル新聞2006年09月05日付)。
筆者もД.ボルドホヤグの分析に賛成である。
さて、この選挙結果が国政にどう影響を及ぼすか。
この選挙区の議席は、この補欠選挙まで民主党が占めていた。それが人民革命党に移った。
一般的いえば、一議席の増減によっては、国政に変化は生じない。
ところが、この選挙結果によって、国家大ホラル(国会)の議席は、人民革命党が39議席になり、単一での多数党となった。法的には、単独で政権を掌握できる。
М.エンフボルド政権は、その構成内に祖国党(エルデネバト・燃料エネルギー相、エルデネバータル自然環境相、オトゴンバヤル災害対策相)、民族新党(エンフサイハン副首相、ナランツァツラルト建設都市整備相)、国民党(グンダライ保健相)、共和党(ジャルガルサイハン商工相)を抱えている。特に、グンダライとジャルガルサイハンは、これまで政府決定に反した行動(注:特に「鉱山法」改正をめぐって)をとってきた。
その行動を黙認してきたМ.エンフボルドにも問題があるのであるが、今後、彼ら二人の行動が同政権を揺り動かすであろう。(2006.09.10)
