民主党第3回大会開催(2006年03月30日)

民主党第3回大会が、2006年3月30〜31日、文化センターで開催された(参加者1485人)。

党を除名されたエンフサイハン派による民主公正党への参加呼びかけや、社会民主党による加入呼びかけなどのポスターが入り口に貼られていた。

大会は、ゴンチグドルジ党首代行の開会演説によって始まった。

彼は、「一党の利害のために政府が解散になって(注:人民革命党によるエルベグドルジ政権更迭をさす)、国民は新政府に対する信頼をなくしている現在、わが党の特別大会が開かれることになった。(この間)一部の人々は、われわれの大会を邪魔し、国政に侵入しようとしている(注:エンフサイハンたちの行動をさす。エンフサイハンとゴンチグドルジは宿敵である。)」と述べた。

次に、С.ランバー国家大ホラル(国会)議員の「モンゴルの民主化と民主党」という報告が行われた(注:上記2報告の全文はウヌードゥル新聞[2006年04月01日付]に掲載されている)。彼は、「携帯電話」、「ミャンガト牧民」(注:家畜を千頭以上所有する牧民のこと。つまり富裕な牧民)、「観音菩薩像」(注:1996年6月9日にガンダン寺で開眼供養された)、「コンピュータ」(注:エルベクドルジ「大同盟」政府が「電子政府」を提唱し、コンピュータの安価供給政策を推進したことをさす)、が民主党の政策の成果である、と述べた(注:民主党が右派、すなわち資本主義政党であることを示す。それも外資頼みの)。

エルベグドルジ前首相は、「政府の行動と民主党」という報告で、「国民が国家大ホラル(国会)議員、大統領、政府高官を恐れ、白痴のようになっている。」「(エルベグドルジ)前政権の成果は、住宅建設、貿易赤字30%への低減、輸出額10億ドル突破、貯蓄額30%増加、貧困対策着手であった。」「(エルベグドルジ)前政権更迭の理由は、権力を失うことで既得権の侵犯を恐れた人々(注:人民革命党をさしている)によって行われた」。

また、後に新聞記者に対し、「われわれは、1990年代以降、思考停止、無計画(にIMFに従ってきた)」という正直な言葉を吐いている(以上、ウヌードゥル新聞2006年03月31日付より)

3月31日夜、党首選挙が実施され、候補者4人(エルベグドルジ、バトウール、バヤルツォグト、Д.エンフタイバン)がいずれも50%を獲得できなかったので、4月1日、エルベグドルジとバトウールの間で再選挙が行われ(ウヌードゥル新聞2006年04月01日付)、エルベグドルジが新党首になった。

民主党は、元来、官職や利害を求める傾向が強く、党内で派閥争いが絶えなかった。

それに加えて、エルベグドルジ「大同盟」政権時(2004年9月〜2006年1月)に、民主党国家大ホラル(国会)議員たちは、人民革命党会派に加入したり除名されたりして、党内の信頼を失ない、分裂傾向が加速化していた。М.エンフボルド政権に参加した、М.エンフサイハンたちを除名して、党内の危機的状況が深刻化していた。

それに対する党内刷新の動きに押され、ゴンチグドルジ前指導部は、しぶしぶ党大会を開催したのであった。

この大会で明らかになったことは、同党が1)資本主義政党であること、2)明確な綱領を持たずIMFプランに従ってきたこと、3)その基盤は富裕層であること、などに過ぎない。

だが、資本主義に対する幻想がモンゴル人の中にある限り、民主党のような政党が消え去ることはありえないだろう。(2006.04.03)

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