広域化される行政区分が提示された(2005年04月25日)

建設・都市整備省は、4月25日、科学アカデミーと共同して作成した、新行政区分を国家大ホラル(国会)人民革命党会派に提示した。

それによれば、モンゴルを4つのアイマグ(セツェン・ハン、アルタイ・ハン、サイン・ノヨン・ハン、トゥシェート・ハン)に統合し、ウランバートル及び、その近郊のズーンハラー、バガノール、ナライフ、および、現在ある21アイマグの中心地を市にする、という。

この統合化の理由は、1)失業、貧困、2)過疎、3)予算赤字、などのためである。

広域行政化することにより、地域住民を集中化させ、そこに産業およびサービスを投入する。その結果、失業。貧困が緩和され、予算節約になる、という。

これに対し、このアイマグ名は、封建制下の名称である、国民に充分周知されていない、などの反対および慎重意見が出された(ウヌードゥル新聞2005年04月26日付)。

この復古調のアイマグ名称はともかくとしても、地方住民の過疎化は深刻なものである。著者たちが2003年に調査した、ヘンティー・アイマグの中心地ウンドゥルハーンから20キロほど離れたところにある、バヤンホタグ・ソムは、ソムの人々が子弟をウンドゥルハーンの学校に入学させるために、移住してしまい、ソム中心地はゴースト・タウン化していた。

ソム長はその流れを阻止するべく、いろいろ努力しているようであったが、その流れに抗するのはなかなか困難なように見えた。

ウランバートル市近郊にでは、板で周りを囲ったゲルや家屋が丘の上まで続いている。この地域への上下水道敷設や道路舗装化などの行政サービスが遅れている。

こうした都市及び地方の抱える問題を解決する手段として構想された、「行政の広域区分化」は一つの改善策であることは否定できないだろう。

今後の推移を見守りたい。(2005.05.03)

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