「健全な社会のための市民運動」が集会・デモ行進を行った(2005年02月03日)

「健全な社会のための市民運動」グループは、2005年2月3日10時、ヤラルト(解放)広場で集会を開き、その後、国家検察庁から政府官邸までデモ行進を行った(注:参加者1000〜2000人。あるいは数百人という人もいる)。


(注:画像はウヌードゥル新聞[2005年02月04日付]掲載のもの)

彼らは、ゴンチグドルジの議員辞職、エンフバヤル、フレルスフ、オラーン、ジグジドの「汚職」を国家検察庁が告発するように要求した(ウヌードゥル新聞2005年02月04日付)。

これに先立ち、「健全な社会のための市民運動」グループの若いリーダーたち(バトザンダン、イチンノロブ)は、2月2日、記者会見を行って、彼らの意図を説明していた。

すなわち、彼らは、政府高官や政治家による汚職、陰謀、不法行為を告発し、スフバートル広場での集会許可、国家大ホラル(国会)議員辞職、政党法改正などを要求した(ウランバートル・ポスト紙電子版2005.02.02、および同紙2005年02月03日付)。

この「健全な社会のための市民運動」の意図は、正当である。

現在の政治混迷や、モンゴルにおける構造的な欠陥である「汚職」、「法の不備」は、是正すべき緊急課題である。

ただ、1)この集会・デモ行進の告発対象がエンフバヤル政権(2000〜2004年)の高官たちへの非難であること、2)しかも、直接的ではなく、民主党の「機関紙」ウドゥリーン・ソニン新聞などがキャンペーンをはってきた記事を検察庁が犯罪立件せよ、と要求していること、3)腐敗・経済混乱・失政を最も深刻化させた民主同盟連合政権(1996〜2000年)のそれへの言及がないこと、などから、この集会・デモは民主党のデモである、という受け止め方になってしまった。

また、その最大の攻撃対象がエンフバヤル国家大ホラル(国会)議長、ジャルガルサイハン共和党党首などであることから、今年5月22日実施の大統領選挙立候補(予定)者への非難・中傷である、という「モンゴル国営テレビ」を通じての政府見解発表の余地を残してしまった。

さらに、2月3日という日は、モンゴル人にとって旧正月の準備に忙しく、この運動が共感をもたれ、拡大していかない原因となった。

彼らは、1990年以降の経済混乱、官僚主義、汚職、失業などの主原因をもう少し掘り下げるべきである。そうすれば、IMF・世銀の作成プランによる拙速な資本主義化、日本(その後ろに米)などによる「援助」などがモンゴルの経済独立を侵害し、政治混乱を引き起こしていることに気づくであろう。すなわち、攻撃対象はモンゴル政府指導部だけではないのである。(2005.02.08)

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