
国家大ホラル(国会)、混迷深まる(2005年01月07日)
年が明け、モンゴルの政治状況がさらに混迷化している。
エルデネバト議員(民主新社会党党首)が国家大ホラル(国会)総会で「祖国・民主」同盟解体を報告してから(2004年12月30日)、今度は、エルデネバト、ジャルガル、ツェレンバルジルを除く、前「祖国・民主」同盟議員31人は、2005年1月5日、この解体に反対して、集会を開き、「祖国・民主」同盟解体に対する今後の対策を協議した(ウヌードゥル新聞2004年01月06日)。
ここで注目されるのは、先に「祖国・民主」同盟解体に「賛成」署名したエンフサイハンやグンダライたちが、この集会に加わって、解体「反対」の側に回っていることである。
また、民主新社会党議員である、オトゴンバヤル、バター、バトトルガ、エルデネブレンは、エルデネバトに同調せず、「祖国」同盟グループを結成して、「反対」の側に回っている。
つまり、民主新社会党議員たちが二派に分裂した。
さらに、2005年1月6日、エンフサイハンは依然として自分が民主党党首である、と主張し、「党印」を渡さない。そこで、ゴンチグドルジ派は「党印」等を奪回しようとして、建造物の一部を破壊する事態が発生した(ゾーニー・メデー新聞2003年01月07日付)。
そこでやむなく、ゴンチグドルジ現執行部は別の党印を作った(ウヌードゥル新聞2005年01月07日付)。党首が二人存在するかのようである。
人民革命党も対岸の火事ではない。同党に、若い党員が中心となって、党内民主主義を求め、「伝統ー革新、民主主義ー倫理」派を発足させた(当初は14人だが、今後さらに増える模様である)。
もっとも、ウヌードゥル新聞Р.エムジン記者にいわせると(注:彼女は2004年度最優秀ジャーナリストになった)、この派は、人民革命党を前進させる可能性がある、ということであるが(ウヌードゥル新聞2005年01月07日付)。
そして、極めつけは、2005年1月7日、国家大ホラル(国会)行政委員会が、オヨン副議長職解任を支持し、国家大ホラル(国会)総会での審議を承認したことである(注:「祖国・民主」同盟解体を受け、「祖国・民主」同盟側副議長は存在しない、という法的根拠による)(ゾーニー・メデー新聞2003年01月08日付、ウヌードゥル新聞2005年01月08日付)。
こうした混迷状態は、現在のところ、国家大ホラル(国会)内で収まっているが、今後、地方へ、さらに経済混乱へと波及する懸念もないとはいえない。
Н.バトバヤル建設・都市整備相(「フォルトナ」グループ代表)とД.バトエルデネ議員(「アジナイ」社長)(注:二人とも民主党議員)とが喧嘩沙汰の暴力行為を働いたが(ゾーニー・メデー新聞2003年01月07日付)、こうした「児戯に等しい」事態は、未経験な若い議員たちの行為と言ってすまされるものではない。(2005.01.11)
