
続・選挙戦激化と当選者予想(2004年06月19日)
国家大ホラル(国会)議員選挙は、6月19日時点で、選挙運動はあと1週間となった。この間に、人民革命党側と「祖国・民主」同盟側との間で、激しい非難の応酬が続いている。
「祖国・民主」同盟側(特に民主党)は、第31選挙区で人民革命党から立候補しているР.ボドに対し、旧社会民主党員が人民革命党から立候補できない、と選挙管理委員会に申し立てた。これに対し、ボドは、1985年から人民革命党員である、1996−1997年に、旧社会民主党左派(П.オラーンフーたち)を支持し、手伝っていたが、党員ではなかった、という(ウヌードゥル新聞2004年06月16日付)。
さらに、祖国・民主」同盟選挙対策本部は、人民革命党が相手陣営の不法行為を証明する文書を買収している、と非難した(ウヌードゥル新聞2004年06月18日付)。
これに対し、人民革命党側は、第39、41選挙区で、「祖国・民主」同盟候補者ドゥゲルジャブ、ドルリグジャブが酒食の供応をした、と非難した(モンツァメ通信2004.06.18)
前述のように、現行「選挙法」はザル法であるから、こうした行為を罰する方法はない。また、6月23日、第75選挙区のある筆者の職場近くのアパートの広場では、演奏会かと間違うような、歌曲の演奏が大音響で鳴り響き、人々が大勢集まっていた。これも現行選挙法では禁止されていない。この調子で、あと1週間激しい選挙戦が続くことになる。
さて、ウヌードゥル新聞(2004年06月19日付)は、2004年国家大ホラル(国会)議員選挙当選者予想記事を掲載している。2000年の選挙では、この予想が外れたのは数人だった、とその精度を誇っている。とりあえず紹介しておきたい。
第1選挙区ガンゾリグかゴンチグドルジ、第2選挙区トゥムルオチル、第4選挙区サンダルハン、第5選挙区バケイ(*)、第6選挙区サイラン(*)、第7選挙区ザンダンシャタル、第8選挙区シーレブダンバ、第9選挙区バトトルガ(*)、第10選挙区ラドナー、第11選挙区ツェンゲル、第12選挙区オチルフー、第13選挙区ツァンジド、第14選挙区オドンゴ、第17選挙区シネバヤル、第18選挙区バトホヤグ(*)、第19選挙区ラシ、第20選挙区ナランツァツラルト(*)、第25選挙区バトフー、第26選挙区ルンデージャンツァン、第27選挙区エルデネビレグ、第28選挙区オヨンバータル、第30選挙区オラーン、第31選挙区ボド、第32選挙区ニャムダバーかバヤルツォグト、第34選挙区ナサンジャルガル、第37選挙区スフバータルかガンボルド、第38選挙区エンフボルド、第39選挙区ニャムドルジ、第43選挙区プレブドルジ、第48選挙区ツェレンジャブ、第50選挙区バトエルデネ、第51選挙区フレルスフ、第52選挙区バトトルガ、第57選挙区ガンディ、第58選挙区ニャムオソル(*)、第59選挙区グルラグチャー、第60選挙区バルサンドルジ、第61選挙区バヤルトサイハン、第62選挙区イデブフテン、第64選挙区アマルジャルガル(*)、第65選挙区エンフバヤル、第69選挙区ボロルマーかオヨン、第73選挙区フレルバータル(*)、第74選挙区ムンフオルギル、第75選挙区バトボルド。(注:[(*)]は野党側[「祖国・民主」同盟、および国民融和党])
こうしてみると、人民革命党側が32人、野党側が9人、伯仲が4人、ということになる。なお、このウヌードゥル新聞は、残りの30議席は形勢不明、と書いている。
この「当選者予想」から比例計算すると、人民革命党が76議席中の53議席、野党側が残りの23議席となる。
周囲の人々に訊くと、議会バランスが必要である、だから野党側に投票する、という人が多い。この形の議会構成になれば、政策議論が活発になり、モンゴルの置かれている状況が、モンゴル国民により鮮明になるに違いない。(2004.06.23)
