市民の意志・共和党国民委員会が開会した(2003年02月22日)

国家大ホラル(国会)選挙を来年(2004年)に控え、各党の動きが活発になっている。民主党党首交代に続いて、市民の意志・共和党も、2003年02月22日、結党1周年を迎え、構成員180人からなる同党最高意志決定機関である、「国民委員会」が開かれた(ウヌードゥル新聞2003年02月24日付)。

同党「国民委員会」開催の目的は、1)2002年度の活動および現状の総括、2)民主新社会党との合同、および民主党との「提携」論議の是非、そして、3)2003年度活動方針の討論、であった。

まず、モンゴルの現状については、党首オヨンによって報告がなされた。それによると、1)民営化された(国営)企業が(全体の70%を占める)0.5%の人々によって所有されている、一方、2)貧困層が国民全体の30%を占めている、と非難している。つまり、3)市場がすべてを決定する、という現状を批判した。

つまり、同報告は、人民革命党エンフバヤル政権が推進するIMF路線に反対の態度を打ち出している、ということである。

そして、書記長が交代し、Л.ログからЦ.ガンホヤグになった。旧共和党のジャルガルサイハンが出席していないことと合わせると、これは、同党内の一部内紛をうかがわせる。彼らは、将来脱党するかもしれない。

次に、他党との提携問題が協議された。同党「国民委員会」の大勢は、民主党との提携には懐疑的である。やはり、かつての民主同盟連合政権(1996〜2000年)を批判して結党された、旧「市民の意志党」出身委員達の意見が強い影響を与えていると思われる。

したがって、民主新社会党との合党問題をまず議論して、つぎに開かれる「国民委員会」で、民主党との提携問題を検討する、という事に決定した。そして、民主新社会党との「合党検討小委員会」が作られ、ダシニャム、ガンホヤグたちが加わった。ということは、彼ら主導によって、合党問題が推進されるということだ。

これは、1)オヨン個人は、民主党の新党首であるエンフサイハンに親近感を寄せていること、2)ダシニャムらによってオヨン棚上げの動きがあること、などから、かなりきな臭い。

いずれにしろ、この問題はこのように微妙な内容を含んでいるため、ジャーナリストを閉め出して、秘密会で行われた。もっとも、2月24日、オヨンが記者会見を行って、この秘密会の内容を公開している(ウヌードゥル新聞2003年02月25日付)。やはり、民主主義を標榜している同党としては、国民による批判を意識したのであろう。

さらに、2003年度活動方針協議の中で、来年の国会議員選挙の公約よりも、モンゴルの将来構想を重視し、1)失業、汚職、泥酔などの解消、2)教育および生産性の高いモンゴル国の建設、などを提起した。

このことからわかることは、この方針が、1)人民革命党による2000年国会議員選挙での選挙公約が実行されていないことに対する批判、2)市民の意志・共和党が野党路線を歩むことの宣言、という意味を持つ。ただ、それが第一野党になるのか、あるいはオヨンがいう第三の党になるのかは、上に述べた合党問題の方向によって変わってくる。(2003.03.02)

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