月の光が滴る原野から連れさられた日番谷が次の瞬間には障子戸からの光が差し込む縁側に居た。



自分の腕の中で驚いて身動ぎする日番谷にギンは悪戯めいた笑みをみせる。

「あはっ、そない驚かんでもええやん。キミかて瞬歩は得意やろ?」

「・・・・・・いや、凄いな」

歴戦の隊長格の中でも市丸の瞬歩は特に早いと聞いてはいたが、まさかこれ程とは思わずにいた

日番谷は素直に感嘆していた。

「ここ、ボクのお部屋や、遠慮なくお入り」

市丸に下に降ろされた日番谷は、「ああ」と応えて草鞋を脱ぐと、からりと障子戸を開ける。

市丸の部屋は文机と二本の箪笥以外に家具は無く、清潔であると同時に閑散としていた。

「お腹は空いてへん? お風呂は?」

「大丈夫だ。ここへ来る前に済ませてきた」

「そう。それならお布団は隣の部屋にひいてあるんよ。氷輪丸はこの部屋に置いてく?それとも一緒

に持ってく?」

「・・・置いていく」

「持って行ったほうがええんと違う? それともボクに意にそまんコトをされても白打と鬼道だけで逃

げられる自信があるん?」

クスクスと上機嫌でからかってくるギンに日番谷はもう一度きっぱりと「置いていく」と告げ、氷輪丸を

床の間の柱に立て掛け、隣の部屋の襖を開いた。

そこには白い夜具が一組敷かれてあり、部屋の隅に置かれた行灯の灯がほのかにそれを照らして

いる。

その光景を目の当たりにした日番谷の喉が小さくゴクリと鳴るの聞き、ギンはもう一度クスリと哂う。

「怖いん?−−−男に抱かれるんは初めてなんやろ?」

「・・・ああ・・・・・だから、どうすれば良いのかわからない。−−お前をがっかりさせてしまうんじゃない

かと心配だ」

虚勢も張らず、素直に困った顔を向けてくる日番谷に、ギンの意地悪もそこまでだった。

「あ〜〜もう可愛ぇわ! ほんまキミ、愛しいわ!」

ギュウギュウと自分を抱きしめてくるギンに日番谷は窒息寸前に追い込まれる始末である。

「い、市丸! く、苦しい・・・」

「はは、堪忍や! ほなお着物脱ごうか」

いそいそと着物の襟に手を掛けられそうになり、日番谷は慌てた。

「市丸、俺は見た目どおりの歳という訳じゃない。だから子供扱いは止めろ!着物位自分で脱げる」

そう言いしな、怒った様な勢いでばさりと隊主羽織を脱ぎ捨てた日番谷にギンは意味深に唇の端を

吊り上げた。

「キミが子供やないんは判っとるよ。でも十番隊長さんはこないなコトは未経験なんやからここはひと

つボクに全て任せてもらえんやろか?」

今の日番谷に行為の前に相手の衣服を脱がせるという、いわいる『男の楽しみ』が理解出来るとは

思えないとふんだギンは下手に出てお伺いをたてる。

すると暫らく迷った後、日番谷はコクリと頷いたのだった。

「・・・判った。お前の良いようにしてくれ」

「おおきに! 十番隊長さん!」

「・・・ただ、その十番隊長と云うのだけは止めてくれ。俺には日番谷冬獅郎という名がある」

「了解や。・・・ほんなら、日番谷さん・・・それとも冬獅郎って呼んでええ?」

「うん」

嬉しそうに日番谷が頷けばギンの心にも喜びが湧き上がる。

「ボクの可愛ぇ冬獅郎・・・!」

今度はやんわりと、だが気持ちの上ではこれ以上ない程の激しさで日番谷を抱きしめたギンは、そ

の想いまま桜色をした小さな唇に口付けを送った。

何度かそっとついばむ様な触れるだけの接吻を楽しんだ後、そろりと舌で舐め上げれば、その感触

に驚いた日番谷が薄く口を開く。その隙を逃すことなく侵入を果たしたギンの舌が思うさま日番谷の

口内と精神の両方を蹂躙する。

(−−−市丸・・・)

カクンと力が抜けてしまった相手の幼い身体をギンは褥へと横たえた。


最初に袴の腰紐を解き、やや腰を浮かせたままゆっくりと脱がせると、今度は死覇装と襦袢の襟に手

を掛けて少しずつ左右に広げていく。やがて現れた薄桃色の突起にギンはにんまりと哂う。

「ああ、可愛ぇわ! ここも触ってもええ? 舐めてもええ?」

「う、うん・・・」

少し躊躇いがちに頷いた日番谷のほのかに昂揚している頬に軽く口付けた後、ギンは肌理の細か

い肌に飾られている可憐なものを尖らせた舌先でチョロリと舐め上げた。

「あ・・・っ」

「感度良好やね」

日番谷の焦った声にますますギンの笑みが深くなる。

(どうせ最初で最後の逢瀬。−−ただ一度きりの契りや! だったら思い残すコトなく楽しんだろ!)

全てを吹っ切った様の愛撫の手を進めるギンにもはや迷いはない。


「−−始めに云うとくわ、なるたけ優しゅうするつもりやけど、どうしても我慢ならんかったらこの屋敷

ごと壊すつもりでボクに鬼道使いなや」

ゆっくりと覆いかぶさりながらそう云うギンに、日番谷は即答で「大丈夫だ」と応え、その背に細い腕

を回した。

「−−−上等や、冬獅郎」





ギンは日番谷の着物を全て脱がせ、自らも一糸纏わぬ姿になるとぴったりと身体を重ね合わせた。

そのまま暫し二人無言で抱き合い、互いの肌の心地好さを堪能する。


「・・・・・市丸」

「うん? 重いんか?」

「違う。−−市丸、お前、暖かいな・・・」

「・・・そう?」

生まれて始めて云われた言葉にギンは内心どぎまぎするも、うっとりと耳元で呟かれた次の感想に

苦笑する。

「−−気持ちいい」

「・・・・・・・冬獅郎、まさかと思うけどこのままオネムはナシやで」

「・・・・・分かってる。・・・でも眠い」

「こらこらこらっ・・・!」

今にもすやすやと寝息をたてそうな日番谷にギンは焦ったが、考えてみれば日番谷は今日の隊長

就任式からずっと歓迎会やら挨拶廻りやらで緊張の糸が張り詰めていた事は容易に想像がついた。

その疲れをおして自分の元へ来てくれたのだ。本来ならばこのまま寝かせてやるべきなのだろう。

だが、ギンにとっては今夜が日番谷を抱くことが出来る最初で最後のチャンスだという思いがある。

もちろん身体を繋がなくても、日番谷が自分のものであり、自分が日番谷のものであるという事実は

変わりがないのもギンには解っていた。なにしろ戦闘部隊の隊長格である日番谷が、初めて裸体を

晒して抱き合ったばかりの相手の腕の中で眠りに落ちようとしているのだ。

それは信頼というより、なにがあっても怯まないという覚悟が日番谷の中枢にある証拠である。

だがそのことを弁えてもギンは日番谷が欲しかった。

「・・・眠れるもんなら寝とってもええよ。−−まぁ、ムリやろうけどな・・・」

不敵に云いおき、愛撫を再開する。


細い首筋に幾度も口付けを落とし所有の紅い印を刻む。

まだ明確ではない喉仏を甘噛みする。

華奢そのものの鎖骨を指で味わい、軽く歯を立てる。

自分の掌で包み込んでしまえる小さな肩を抱いたまま、もう一度胸の突起を舌で可愛がる。

「・・・んぁ・・・っ・・・・・いち・・・まる・・・・・」

思わず漏れでてしまった感じの日番谷の甘い声に、ギンは我が意を得たりとほくそえむ。

そのまま舌を下に滑らせていき、細い腰に腕を回したまま臍の周辺をひと舐めした後、一旦身体を起

こしたギンはゆっくりと冬獅郎の華奢な膝裏に手を掛けて左右に開き、幼い性器に顔を近づけ舌先で

持ち上げたモノを口の中に含んだ。

「あっ!・・・ああっ・・・」

途端にびくんと揺れた細い身体を押さえ込み、思うさま舌で嘗め回し、吸い上げた。

「んんっ・・・・・ハッ・・・ぁ・・・い・・・ち・・・・・まる・・・」

到底、氷輪丸の様な長刀を自在に扱うなどといった事は出来そうにも無い、日番谷の小さな手、細い

指がギンのサラサラの髪に差し込まれ、銀糸がくしゃくしゃに乱される。だがそれは決して長い時間で

はなかった。

「−−−−−あ−−−っ!」

短く叫んだ声と共に細腰がぶるりと振るえ、日番谷はギンの口の中で吐精して果てた。

飲み下したモノの残りを味わうかのように今だ震えている性器を舌で清め、ギンはぺろりと唇を舐め

る。本当は何時までも口の中に入れたまましゃぶっていたかったが、今は初めて他人の手でイカされ

たに違いない日番谷の顔が見たい。

上から覗きこんだ日番谷の貌は案の定といおうか、普段の小難しい表情は跡形もなく、紅潮した面

に涙まで浮かべており、そのいたいけさはいたくギンを悦ばせ、満足させた。

「どうや?・・・目ぇ覚めたやろ?」

「・・・っ、バカやろ」

「ははは・・・バカは酷いわ! 気持ちよかったやろ?」

はぁはぁと薄い胸を激しく上下させながら悪態をつく日番谷に対して、ギンはあくまで上機嫌である。

イッたばかりで力が入らないらしい日番谷の足に再度手を掛け、先程よりも大きく割り開く。

「あはっ、可愛ぇモンが丸見えや! −−冬獅郎、今度は冬獅郎の可愛ぇココにボクんモン入れさせ

てな?」

云うと同時に人指しの腹でそろりと日番谷の秘所を撫ぜ上げた。

「−−んんっ! ・・・・・そんなこと、出来るのか?」

驚いてまじまじと見たギンのモノの大きさに、日番谷は内心ぶるぶると首を振る。

(・・・無理だろ。・・・・・ンなデケェの入るわけねぇ!)

日番谷の不安を汲み取ったかの様にギンはにっこり笑う。

「安心しい。怖いことはなんもあらへん。ちゃあんとボクが慣らしてあげるよってに大丈夫や」

初めて目にした、邪心のない心からのギンの笑顔に、不覚にも見惚れた日番谷は、思わずそのまま

「ああっ・・・」と頷いてしまった。

しかし、それではと、愛撫を進めようと秘所に顔を近づけたギンは先程自慢の銀糸を乱したのと同じ

手に押し留められてしまっう。

「・・・冬獅郎?」

ギンの頭を抑えて待ったを掛けた日番谷は慌てて言い募った。

「ちょっと待てって。・・・その前に俺もさっきお前がしてくれたことするから」

(・・・・・え?)

咄嗟に何の事だか分からなかったギンも、自分の頭から外れた日番谷の掌が今度は胸板をぐいぐい

と押して、起き上がりたい意向を告げてきたことでようやくはっとなった。

「・・・・・もしかして、冬獅郎もボクのモノ舐めてくれるん?」

違っていたら殴られるかも・・・と思いながら聞いたギンに、パッと頬を染めた日番谷は怒ったような

顔でこくりと頷いた。

「・・・俺、やったことないからどうすれば良いか解らねぇ。−−でもお前の為に頑張ってみるから・・・」

上目使いで云われた台詞にギンはそれだけで昇天しそうになった位だ。


「・・・・・そ、そんなら、お願いしようかな・・・」

えへへ・・・と照れ笑いするギンの足元に起き上がった日番谷は、ギンの白い太ももに両手を掛けて

大きく足を開かせると、おもむろに顔を近づけ、躊躇なくソレを口に含んだ。


「−−−あ−−っ−−天国や!」


日番谷の口淫は確かに不慣れでたどたどしい。しかし、自分の足の間で精一杯の奉仕をしている日

番谷の姿は性器から伝えられるものの何倍もの快感をギンに与えていた。

とてもギンのモノの全てを飲み込みきれない小さな口で、懸命に舌を使い、指で擦り上げる健気さは

いっそ感動ものだ。

(この子のこおゆうとこ、たまらんわぁ! ほんま男にとっては理想の恋人やな)

ギンは当初、見かけよりずっと柔らかな日番谷の跳ねっ毛を撫ぜながら余裕で悦に酔っていた。が、

「・・・・・ん・・・っ・・・ええわぁ・・・・・冬獅郎・・・」

時間がたつにつれ、ギンの反応が飲み込めてきた日番谷は的確に快感を感じる場所を攻め始める。

先端の鈴口に尖らせた舌先を捻じ込まれ、くびれの部分を親指の腹で撫で回され、他の四本の指と

掌で砲身を包まれ擦られる。そしてもう一方の五指に、たっぷりと膨らんだ二つの袋を揉みしだかれ

てギンの口からは本気の喘ぎが醸し出された。

(−−あかん! この子、学習能力高すぎや! ほんまにイカされてまう・・・)

「冬獅郎、もうええっ! もうええから、離しぃ!」

焦って日番谷を自分の股間から引き離そうとしたギンだったが、理性よりも雄の射精本能が勝り、

「・・・んんん・・・・・・・っ−−−−−」

丁度、日番谷がパクリと喉の奥までギンのモノを飲み込んだ絶妙のタイミングでギンは果てた。

ドクドクと喉に流し込まれたものを素直に飲み込み、顔を上げた日番谷の口元に、ギンは枕元に脱い

で置かれた着物の中から慌てて取り出した懐紙をあてる。

「堪忍やで、冬獅郎!」

「−−−何だ?」

「・・・・・ええっとぉ・・・まさか全部飲んでしもたん?」

「ああ・・・お前だってそうしたじゃねぇか。・・・・・ダメだったのか?」

「そやないけど、・・・・・マズかったやろ?」

「いや、甘かった」

「・・・・・・・それ本気でゆうとるん?」

「当り前だろ」

柳眉を寄せるギンを不思議に思いながら、日番谷は心底真面目に応える。

「・・・・・だったらええんやけど、なんやとてつもなく自分に都合のええ夢見てる気ィするわ・・・」

気が抜けたようなギンに対して、眠気が吹き飛んだ日番谷が逆に焦れた様に相手の腕に手を掛け

て先を則す。

「−−続き・・・」

「−−−はぁ?」

「・・・続き、するんだろ・・・・・」

照れると怒った様に口調がぶっきらぼうになるのは癖なのだろう、頬を赤らめて問い掛ける日番谷に

ギンは満面の笑顔で頷いた。


「−−−−−もちろんや。・・・ボクとキミ、一つになるんよ! 愛しい冬獅郎−−−」



 
  
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