開発じたばた日誌

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TSXBIN起動 編

 このコーナーを書くのも実に半年ぶりですね。 TSXBINのCインタプリタを作りアップしたので、一区切りとして書きます。

 TSXBINは前の会社で作成したデバッガツールの延長線上にあります。 このツールはPCのISAボードの共有メモリーをリアルタイムダンプするものです。 データにはいろいろな種類があり、HEXや10進、浮動小数点表示が必要です。 TSXBINが他のバイナリエディッタにない、多彩な表示をするのはこのような理由なのです。 またTSXBINがDLLモードMMFモードを持っているのも、この仕事の延長線上だからです。 このときのツールは1週間程度でつくった、いわば置きみやげ的ツールです。

 このツールを作っているとき、これはバイナリエディッタと非常に似ていると気づきました。 表示対象とするデータのあるところはメモリーかもしれないし、ファイルかもしれません。 でもそれを表示してユーザーに見せる部分は全く同じです。

 これに気づいたとき、私は対象となるデータがなんでもいいからとにかくデータをいろいろな形式で表示 できるものをつくればいいんだと考えました。  データを取ってくるところがたまたまDLLの関数経由だったり、メモリマップドファイルだったり、普通のファイルだったりしているだけです。 データを取ってくる部分と表示部分を独立させればいいのです。

 さてこのようなバイナリエディタはどれくらい魅力的なものでしょうか? 世間にはすでに定番として君臨するBzあるいは新進気鋭のstirlingがあります。 通常ユーザーが使うにはファイルを見るだけなので、DLLモードやMMFモードは無関係です。 浮動小数点表示などは少し魅力的かもしれませんが、定番から乗り換えさせるほどのパワーはありません。 またこれらのソフトはフリーですから、TSXBINをシェアにしたら見向きもされないでしょう。

 ここでTSXBINをもっと魅力あるソフトにするために、シンボル表示という暴挙に出たのです。 これは私がバイナリエディッタを使っているときいつも感じていたものです。 私はよくビットマップをバイナリで見ました。 このとき「このデータは先頭から**バイト目だから、オフセットの**がそのデータで...」と自分で数えてみていました。 あなただってそうでしょう? データの名前と値が一緒に表示されたらどんなにいいでしょう。これがシンボル表示を開発しようとしたきっかけです。

1999.5.13