インド デリー・プネの旅 2001

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9/4(火) いよいよ帰国 その2


 G社のシュリさんが迎えに来てくれた。 滞在中は本当にお世話になりました。

 プネの国内線に乗り、やっと帰国だと感慨もひとしおである。 後は国際線への移動だけが心配である。

 セキュリティで私のPHSがひっかかったが、電源を入れて無罪放免となった。 セキュリティのおじさんは両手をあわせて、旅の安全を祈ってくれた。

 デリーの国内線に到着した。 空港の敷地を出るまえに勝負 しなくては。 エアインディアのブースで国際線への移動方法を聞くと、無料バスがすぐそこにあるからそこから乗りなさいということだった。

 デリーの空港をでるとたちまちタクシー運転手などが群がってきた。 しつこい運転手がバス乗り場までついてきた。 バス乗り場につくと、1時間に1本しかないと書いてある。 時刻は書かれていない。 タクシー運転手は、もういっちゃったかもしれないよという。 この脅しが手口だ。

 私のフライトは11時15分。 チェックインは2時間前の9時15分に済ませたい。 ところが今は9時なのだ。 国際線には15〜20分ほどかかる。 もしバスがほんの少し前にいってしまったのなら、あと1時間待たないと来ない。 こんなことになるくらいなら少し高めのタクシー代を払っても安全策で行くべきだ。 なにしろ乗れなかったら元も子もない。

 Helloとタクシー運転手に声をかけ、国際線まではいくらだと聞くと 25 と答える。 ちょっと考えるふりをして、O.K.と言った。

 私は繰り返し25以上は払わないぞといった。 運転手はいっこうにかまわないようだった。 彼らはいつも二人組で行動するらしく、荷物持ちにあんちゃんもついてきた。

 運転は比較的安全運転で、国際線敷地内に入った。 さて25ルピーだから30ルピーでもやるかと思い、30ルピーを出した。

 そのとき運転手は 得意満面の笑みをうかべ25USダラーズ と言った。 最後に出ました、 単位変換の秘術。 運転手は、してやったりと思ったのだろうか。 バカめ、だれがそんな金払うか。 おれは何回も25ルピーと確認したと言った。

 確かにタクシー運転手は25といっただけで25ルピーとは言っていない。 また実は私は25ルピー以上払わないと言ったつもりであるが、本当に「ルピー」を言ったか定かではない。

 しかしためらってはいけない。 やつが私をカモにしようと思っているのは明らかだ。 25ルピーを繰り返した。 すると運転手は10ルピー紙幣を2枚ほど真ん中で破り、なんかほざいた。 どうやら30ルピーなんてはした金ですむかといっているらしい。 やつらはこのようなこけおどしを使うようだ。 お金を破るとは、バカなやつ。 なにを言っているかわからないと全然怖くない。 ワハハハ。

 このままではらちがあかないので外に出て、助手のあんちゃんに30ルピーを押しつけようとした。 あんちゃんはイヤイヤをした。 なんかとってもカワイイ。 どうやらあんちゃんはお金に関する決定権がないらしく、運転手の手下なのだ。 彼は困った顔をしていた。

 チャーンス。 助手は気が弱いみたいだし、2対1でも勝てるぞ。 30ルピーを座席にたたきつけ、助手のあんちゃんから荷物をひったくり、空港の入り口に向かった。 空港の入り口にはチケットをチェックする軍服を着た怖いおじさんがいる。 だから奴らはそこから中には入れない。 あそこまで行けばオレの勝ちだ。

 意外にも運転手は走って追いかけたり、腕を引っ張ったりなど力ずくのことはしなかった。 空港の入り口付近で運転手は私に追いつき、チケットチェックのおじさんにこいつはタクシー代を30ルピーしか払わないと言っているようだった(定かではない)。

 おじさんはつまらなさそうな顔をしていた。 私はチケットを見せ、空港に一歩入った。 勝った。 運転手はまだなにか文句を言っている。

 ここで私は少し落ち着いて考え、ここまでの料金が 30ルピーではあまりにも少ない と思った。 車で約20分なのでもっと払ってやってもいいかな。 こんな悪党に同情することもないが、あと50ルピーを払ってやった。 25US$=1000ルピーのところがたった80ルピー。 あの距離ならだいたい 150〜200ルピーが適切 な金額だと思う。 運転手はずいぶんもくろみがはずれたものだ。 私は 逆カモ にしてやった。 運転手はあのリキシャの運転手のような 悲しい目 をしていた。 悪党にはいい薬だ。

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