「食の王国」をづくりを推進

                          作 井 英 人

  この提案は、筆者が平成19年4月6日の北日本新聞「談論・自由席」に寄稿したものです。
  
  
富山県は、立山連峰、富山平野、富山湾などの豊かな自然に育まれた、きときとの食材の宝庫です。また、「越中」が成立したと言われる7世紀末から現代に至るまでに培われた、多彩な食文化が生活に根付いています。現在、農林水産物の価格が低迷し産地間競争が激化する中、食のとやまブランドとして、富山米やます寿し、日本酒、ブリ、かまぼこなど、全国的に知名度が高い産品もありますが、残念ながら知名度や生産量、その評価が十分でないものも多い状況にあります。
 こうしたことから、県では平成19年度、県産農林水産物や加工食品の付加価値向上と有利販売を進めるため、新たに「越中とやま食の王国」づくり事業を始めることになりました。この取組は次の3つの重点戦略、@首都圏等でのブランド力を強化するため、東京アンテナショップ「いきいき富山館」や銀座の百貨店等と連携した情報発信、A県外から富山県に顧客を呼び込む力を強化するため、富山ならではの料理等を体験していただく「とやま食の街道」づくりや、食の魅力を発信する「越中とやま食の王国フェスタ(仮称)」の開催、B県内で有利販売を進めるため、地場産野菜等を量販店で購入できるインショップや学校給食で子供達に食べてもらうなど、いわゆる「地産地消」、を柱に関係機関・団体の皆さま方と連携しながら進めていくこととしています。この食の王国づくりを通じて、今後、本県の農林水産業や観光産業の活性化が図られ、食を核とした「もてなし産業」が創出されることを期待しています。
 「越中とやま食の王国」のコンセプトは、@富山ならではの食材や食文化をこよなく愛する、A「もてなしの心」を大切にする、B県民が主役、です。特に、@については、富山オリジナルであることや、その産品の生産者のこだわりや歴史・物語等を大事にしていくことが重要と考えています。
 昨年5月12日の北日本新聞紙上「越中讃歌」で、東京農業大学教授の小泉武夫氏が「『食在越中』。すなわち『食は富山に在り』ということ」と寄稿され、それがご縁で今年2月にご来県いただいた折、富山の食を絶賛していただきました。国内外の方が、四季折々の「美味しいものを味わうなら富山」となるよう、関係の皆様のお力添えをいただきながら、食のテーマパークとも言える「越中とやま食の王国」づくりを進めていきたいと考えております。

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