富山県では、積極的に地方分権を進めているところですが、その出発点となる富山県が生まれた歴史については、意外と知られていません。その歴史は、明治94月、新川県が石川県に併合されましたが、水害で悩まされ河川改修を主張する越中衆の不満が高まり、米沢紋三郎らを中心とする分県運動が起こりました。そして、分県の建白書が太政官府に提出され、苦労の末、明治16(1883)59日太政官布告第15号により富山県が誕生しました。
 一方、現代は、ボーダレス社会の進展とともに、若い世代を中心に富山県民としての郷土への愛着意識の低下が懸念されます。
 そこで、富山県が設置された明治1659日を記念して、59日を「富山県民の日」に制定して、県民の休日とすることを提案します。そして、この日は、県民が余暇やスポーツを楽しみ、また、地域でのボランティア活動や文化活動を行いなど、県民が元気に活動する日と位置づけます。
 期待される効果としては、富山県民としての郷土への愛着の高揚、地方自治と地方分権の重要性の意識向上や推進につながるでしょう。県民が1365日のうち1日、先人の労苦を偲ぶとともに、21世紀の富山県のために県民11人何ができるのか考える日があっても良いのでないでしょうか。
 その日をきっかけに、県民が様々な活動に挑戦することにより、県民から新たな活力や知恵が生まれ、新しい事業展開やベンチャー企業誕生などのきっかけにもなっていくことが期待できるでしょう。

 


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「富山県民の日」の制定についての提案

作井 英人