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  「交通弱者の住みやすい町を」=舟橋貴之・富山県立山町長

2009.6 時事通信社 トップインタビュー

 「交通弱者が暮らしやすい町づくりをしたい」。こう力強く語るのは、富山県立山町(2万7900人)の舟橋貴之町長(ふなはし・たかゆき=44)だ。同町長によると、立山町は現在、75歳以上のお年寄りが人口の7人に1人。15年後には、これが5人に1人となる。高齢者に合わせた町づくりのため、舟橋町長が重視しているのが富山地方鉄道だ。利用客の増加策や、駅前への保健福祉総合センターと図書館の設置を目指している。

 「立山町というのは南北に長い町。標高12メートルから500メートルぐらいまで人が住んでいる。そして中学校は1校しかないが、1校で成り立つのは富山地鉄のおかげ」と話す舟橋町長。

 当面考えているのは、観光振興による利用促進だ。6月に公開が始まった映画「劔岳 点の記」は「岩峅寺駅」「称名滝」など立山町で撮影されたシーンも多く、「撮影スポットを紹介するパンフを持参してJR東日本を訪問した」という。長野県側の黒部への入り口の大町市などとも協力して、外来植物が立山・黒部に持ち込まれないための靴用マットを設置などという自然保護のための地味な活動も。

 「北陸新幹線が開通すれば個人旅行の観光客も増える。そういう人たちに富山地鉄を利用して立山黒部アルペンルートに来てもらいたい」と将来も見据える。

 一方、「漫画の『サザエさん』に出てくる三河屋さんのようなことができないか考えている」とも話す。漫画の中では酒屋の御用聞きだが、構想では「食料品などの御用聞き」として、交通弱者のお年寄りのために設置したいという。さらに進化させて「配食サービスをかねてお年寄りの様子を見に行く(安否確認)ことも」とアイデアも豊富だ。

 また、保健福祉センターの問題は、長年の町の課題だが、議会の反対もあり難航。だが決してあきらめていない。

 日本全体が抱える高齢化という問題。小さな町の取り組みが日本全体のモデルケースになるかもしれない。

 〔町の自慢〕米飯給食用のコメは、地元の農家から直接購入している。生徒は「おいしい」と言うし、「地産地消」にもなっている。

 〔横顔〕明治大雄弁部に所属していたことが縁で、衆院議長河野洋平氏の知遇を得、8年間は同氏の秘書。その後、立山町に戻り、町議を2期8年。趣味は音楽鑑賞。健康維持のため、朝は片道3.5キロの道のりを約40分かけて徒歩通勤している。

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