大勇一覧へ

 

舟橋たかゆき後援会機関紙

大  勇17号(合併特集号)平成1484

市町村合併 QA

 

県内各地において市町村合併に関する議論が盛んになっております。    

立山町でも、町長と語る会では、ケーブルテレビ加入問題に加え、合併についても触れられ、いろんな質問も出ているようですが、マスコミ報道や町広報等を見る限り、情報不足による誤解も多いように見受けられます。そこで、これまでに私に寄せられた質問にお答えする形で本誌を編集してみました。なお、公平を期すためになるべくデータを添付し、その引用元も掲載するようにしました。

 

Q1 いまなぜ、市町村合併が議論されているのか?

 

A1@ これまで国・県の指導に頼ってやってきた市町村に、平成12年の地方分権一括法の施行により、仕事と責任が課せられました。

まず、少子・高齢化の進行と人口の減少があります。高齢化の進行(※@)は、医療や福祉な                              どの行政ニーズをますます増大させ、そのための行財政基盤の強化が求められます。【国・県】 

     @老年人口(65歳以上)比率

国立社会保障・人口問題研究所推計

 

2000

2010

2020

全国

17.3

22.5

27.8

富山県

20.8

25.5

31.3

立山町

21.5

立山町は県平均を上回る高齢化となっております。ちなみに町老人保健医療事業特別会計の平成14年度予算額は、347700万円。そのうち町一般会計から1億7900万円を繰り入れております。同様のことが、介護保険事業負担金についても言えます。

 

A 厳しい財政状況により、これまで小規模な市町村を支えてきた地方交付税(※A)が減額されはじめました。

 地方交付税とは、国が、いったん集めた税金を財政力の弱い自治体に再配分するものですが、それ自体、借金を重ね、42兆円にも達しています。ひも付きでない自由に使えるお金であるため、1年間に1.1億円の減収は、町民ひとりあたり、4千円の減額と同じことを意味します。

年度

12

13

14

町税

29.6

28.8

28.3

地方交付税

35.3

34.2

30.5

億円

 

 

 

 

 

 

A立山町の財政 平成14年度一般会計当初予算

主な歳入

億円

備 考

町税

28.3

町民税・固定資産税

地方交付税

30.5

国からの助成金

諸収入

11.5

貸付金元利収入ほか

国庫支出金

3.5

国の分担金

県支出金

6.6

県の分担金

町債

9.6

借金

その他

13.8

負担金・交付金ほか

合計

103.8

 

 

 

Q2 立山町は富山地区広域圏11市町村の中で、一人当たりの借金(地方債現在高)がもっとも少ないと聞くが?

 

A2 確かにそうです。
   しかし、見方を変えれば、これから借金をしてでもやらなければならない仕事が多いとも言えます。例えば、汚水処理施設(下水道)の整備率(左表)は、細入村、八尾町に次いで、低く、建設費用だけで平成27年までに約176億円を投入しなければなりません。   

 なお、八尾町は、一人あたりの借金が 町としては多くなっておりますが、既に、ケーブルテレビ・保健福祉総合センターなどインフラが十分整備されております。

富山地区広域圏市町村比較 12年度末

市町村名

一人当たりの借金(千円)

汚水処理施設の整備率(%)

富山市

1,031

81

婦中町

758

47

八尾町

1,241

27

山田村

3,273

100

大沢野町

740

89

大山町

1,076

95

細入村

2,020

17

滑川市

855

55

上市町

741

57

舟橋村

1,284

92

立山町

493

36

平均

958

63

 

 

Q3 財政が厳しいのはわかった。  それでは、職員を大幅に削減し、 人件費(※@)を抑えたらどうか。

 

A3 定年退職者に対して、新規採用数を抑える方法は可能ですが、民間企業のように、職員を解雇することは法律(※A)上、極めて困難です。それよりも憂慮すべきは、職員の年齢構成にあります。試算によれば、行政一職員が3140才が21名に対し、4150才が85(平成12年度)となっております。逆ピラミッド構成解消には20年近くかかることになります。なお、地方分権が進む中、政策立案能力のある優秀な職員も確保していかねばなりません。

※@ 平成12年度一般会計の人件費は27億8千万円余りでしたが、これに臨時職員の賃金1億円余りを合わせると約29億円になります。ちなみに、町税は29億6千万円でした。※A地方公務員法28条および判例

 

 

.職員削減が難しいなら、企業誘致して 財政力をアップさせたらどうか。

 

A4 町内の企業が納めた町民法人税は2億2千万円(平成12年度)で、町税全体の7%余り。もちろん、固定資産税収入は望めますが、昔ほどではありません(※)。なおかつ、例えば、100万円増収となっても、地方交付税(国からの助成金)が75万円カットされる仕組みとなっております。

※黒四ダムにかかわる固定資産税は平成12年度で約1億1千5百万円となっております。ちなみに昭和39年当時の町一般会計予算では町税全体2億6700万円のうち1億4700万円が黒四ダム(関西電力)からの税金だったそうです。       

              

 

Q5 立山黒部アルペンルートに年間100万人も来るのだから、そのうち1割でも宿泊してくれたら、町は豊かになるのではないか? 

 

A5 年間40万人以上が宿泊する宇奈月町。財政力指数の上では、宇奈月町は富山市、高岡市に次いで県内で3番目に高く(豊か)なっております。6千人余りの町にもかかわらず、町税は25億8千万円(立山町は28億円)という収入。しかし、その内訳は20億円が固定資産税で、そのうち 16億円は関西電力と聞いております。

確かに観光消費が経済(所得・雇用・税収)に与える波及効果は大きいと想像されますが、その波及が多岐にわたる(交通・消費・製造等)ために、一町(狭い地域)だけにすべて(経済効果・税収増)に単純には結びつくわけではないと思われます。

 

                                                                                                     

Q6.橋町は合併して損をしたのではないか?  公共施設も少ない。水橋の二の舞は嫌だ。

A6 中新川郡水橋町は昭和41年に富山市と合併しましたが、その当時の水橋町の財政状況はどうであったかを正しく理解しておかねばなりません。また、当時、今回のような合併特例法の優遇措置(※)はありませんでした。

また、本当に旧水橋町に住む人は不幸なのか? ケーブルテレビや下水道も完備。水道料金は立山町の6割。介護保険料も安い。福祉サービスもメニューが多い。実際、本当に不幸なのか、具体的に検証しなければなりません。※合併特例債では、地域的にバランスをとるための公共施設等の施設整備に使えます

主な財政支援

@合併後10ヵ年度は合併しなかったものとして普通交付税が全額保障。その後5ヵ年度でも一部保障。

合併特例債 273.9億円(富山市との場合) A まちづくりのため(地域的にバランスをとるた   めの)の建設事業費 234.1億円

B 地域振興のための基金造成39.8億円   いずれも、95%起債し、70%国が補填

A合併直後の臨時的経費助成 18.7億円              行政水準・住民負担格差是正 

B国庫補助事業における優先採択・重点投資

 

 

Q7 合併特例債をもらっても、結局は借金をし、次の世代にツケを回すだけではないか?

 

7 確かに、立山町民にとって不要なハコモノをつくるのは避けなければなりません。しかし、立山町にはもう何一つ、必要なものはないのでしょうか? 老朽化し毎年修繕費(※@)がかさむ老人福祉センター(※A)と手狭になった町保健センター、新瀬戸地内にある児童館を一体化した、『仮称保健福祉総合施設』(※B)は第8次総合計画(2001-2010)で位置づけられております。なお、通常の補助金に頼って、建設するとなると町費(みんなの税金)から支出は莫大なものになることが予想されます。

          ※@ 修繕費には国・県からの補助の制度はない                  ので、町の一般財源(税金等)からの単独支出となる。

 ※A「老人福祉センター」昭和40年に元衆議院議員佐伯宗義氏の事務所を町が譲り受けたもの。    

 B「仮称保健福祉総合施設」 平成16年度までに建設する予定だったが、14年度以降、地域総合整備債という町にとって有利な借金の制度が廃止されたこと、その他の理由で、本年度の用地                            購入費の予算化が見送られている。         

 

合併特例債を使って、保健福祉総合施設を建設すると? 
      
建設費用 約26億2000万円  当初 一般会計より1億3100万円 合併特例債 24億8900万円 ただし、借金の返済額のうち、17億4230万円が交付税措置(国から戻ってくること)になります。 つまり、町の実質負担額は87770万円となる。 (金利分は考慮していない)

 

 

Q8 役場が遠くなり、不便になるのではないか?

 

A8 多くの場合、合併前の役場は新市町村の支所や出張所として残すなど、窓口サービスがこれまでと変わりなく受けられるよう配慮されています。【国・県】

また、現在の立山町役場庁舎が建ったのは、昭和39年です。専門家の調査では、震度7に対応できないとの結果がでております。そこで、庁舎を新たに建設するには30億円以上かかると想像されますが、国からの補助金はありません。

現在、使用できるからいいというのではなく、次世代(私どもの世代)のことも考えなければなりません。

 

 

Q9 合併すると議員数が減少し、きめ細やかな行政サービスが困難になるのではないか?


A9 『人口10万人以上の議員は、議員活動にそのほとんど時間を割いている。これに対して、小規模町村では、議員報酬だけでは生活ができないため、相当の時間を議員以外の仕事に時間を割いている人が多い。』(某大学某研究所調査)

 憲法上、議員は本来、特定の人・地域の代弁者であってはいけませんが、特定の地域の人も住民です。

但し、一部の人の声が大きいからと言って、政治が歪められ、行政サービスが住民・地域に等しく行き届かなくなることがないように、役所を監視する責任が議員にあります。

また、「きめ細やかな」という言葉を捉えて言えば、小規模町村では、専門的な職員を確保することが難しく、また、福祉サービスの多様化・高度化にも対応が難しいのが現状です。


10 3万人程度の人口が、 ちょうどいいのではないか?

 

10 これまで、人口が2千人程度の村でも、役場庁舎を持つことができ、ある程度の行政サービスが維持できたのは、小規模であればあるほど、地方交付税(国の助成金)が多かったからです。

しかし、14年度からは、この割増率が引き下げられました。国は10万人の市を標準と考え、お金の計算をしております。当然、3万人未満の町では、いままで通りの行政サービスを維持するには、増税するか、反対に行政サービスを減らすしか方法がありません。行政改革などの自助努力分は、高齢化社会への対応分で消えてしまいます。  

 

 

11 地域の歴史や伝統、文化等の愛着(連帯感)が薄れたりしないか?

 

11 祭りや文化はもともと、行政の枠とはとは関係なく、地域の人々が中心になって行われるものです。都会にも祭りはあります。    

 

 

12それでは合併して、市の規模が大きくなればなるほどいいのか?  


12そうとは限らないと思います。例えば、たばこの吸い殻を公園に捨てる人でも、自分の庭や家の周りには捨てません。あまり大規模な市になってしまうと帰属意識が薄れ、「自分ひとりぐらい」という気持ちになってしまう恐れはあると思います。しかし、最低10万の人口はないと、これからの地方分権社会では生き残れないと考えております。 

 

13 なぜ、富山市との合併協議会なのか?

 

13 協議会ができると即、合併というわけではありません。報道によると、県内でも、合併問題に消極的なのは、中新川郡の町村長と言われております。そこで、まず、通勤通学者のうち35%が富山市に通っていることなど社会生活面でつながりの深い富山市と事務的な協議を始めることが現実的だと考えます。もちろん、上市町や大山町さんとも協議ができれば、選択肢が増えていいと思います。 

なお、大山町では40%の人が富山市に通っています。乳幼児医療費無料化の提携もできています。立山町以上に富山市とのつながりが深いと言えるかもしれません。

 

あとがき

 よく、合併のメリット・デメリットは何かと訊かれます。「少なくとも、合併しなかった場合のデメリットは、はっきりしている」と答えています。人の価値観によっては、メリットともデメリットとも思えることがあると思うからです。だからこそ、客観的なデータが必要なのです。そのために、法定合併協議会をつくって十分調査検討して材料を揃えてから、判断すればよいのです