近年、小泉今日子やハルカリ、野宮真貴、スーパー・バター・ドッグ、といったアーティストのプロデュース業や、中村一義、宮沢和史などのアルバムにギタリストとして参加。ビッケ、斎藤哲也と結成したナタリー・ワイズのバンド活動が忙しかった高野寛だが、ソロとしてはオリジナルアルバムだと前作『tide』('99)以来、4年半振りのニューアルバムをリリースした。
コーネリアス・サウンドへの傾倒や、テクノポップを目指してた時期(Fのドノバンのカヴァーがそう。)もあったが、言うなれば前作から書きためた曲のベスト盤的なアルバムに仕上がっている。
本人曰く、脱ポップスを目指したようでといっても、力の抜けた声を張り上げなくても良いもののことである。
書き上がったときに涙が出る程、感動したという弾き語りな@、前作のツアーでも演奏されたA、原曲は『Rain Or Shine』('96)時に出来てたという、「虹の都へ」や「ベステンダンク」の後継曲といっても過言ではない、PVも撮影されたB(シュナぽっぷ'04にも収録しましたね)、CDではじっくり聞かせ、EGはメロディ的にも今作のハイライトかな。歌詞も深いし。Hは、師トッド・ラングレンも真っ青の一人アカペラ多重録音は圧巻。そして、Jはナタリー・ワイズでも収録されてた「美しい夜」の原曲。捨て曲無し。邦楽で聞くアーティストが無いって方、これ大推薦。
<お薦め度>★★★★★
2004/2/7 |