PUSHING THE SENSES  FEEDER 
2005.2リリース / 株式会社ポニーキャニオン

01. FEELING A MOMENT
02. BITTER GLASS
03. TUMBLE AND FALL
04. TENDER
05. PUSHING THE SENSES
06. FREQUENCY
07. MORNING LIFE
08. PILGRIM SOUL
09. PAIN ON PAIN
10. DOVE GREY SANDS
11. SHATTER
12. VICTORIA

produced by Gil Norton & Grant Nicolas 
(exceptAHI by Grant Nicolas、E by Ken Nelson & Grant Nicolas)

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 今回紹介するのは、先日フジロックで来日したフィーダーの最新作。フィーダーは、グラント・ニコラス(Vo&G)、タカ・ヒロセ(B)、ジョン・リー(Dr)の三人組。デビュー当初は非常に攻撃的なグランジ・ロックだったが、音的にはスマッシング・パンプキンズのUK版的な感じであった。楽曲のリリースが続くにつれ、メロディアスな楽曲にメランコリックなメロディーが乗った曲も作り出した。
 2001年にリリースした3rdアルバム『エコーパーク』(全英5位)から、シングル先行シングルの「バック・ロジャーズ」が全英5位にチャートインするスマッシュヒット。続いて「セブン・デイズ・イン・ザ・サン」も全英14位にチャートンするスマッシュヒット。12月に「バック・ロジャーズ」からのB面曲であり、ライブでも人気曲であったポップで軽快な「ジャスト・ア・ディ」を急遽シングルカット。こちらも全英12位にランクイン。4週にも渡り20位以内にランクインしたこの曲はTVゲーム、グランツーリスモ3のBGMとして使用されました。ブレイクも間近という時に、2002年1月のジョン・リーの自殺は、非常に衝撃的だった。
 バンドは解散という道を選ばず、活動を再開。ドラマーはサポートという形で制作され、2002年にリリースされた4thアルバム『コンフォート・イン・サウンド』(全英6位)はマニック・ストリート・プリチャーズがリッチーの失踪後に作った『エヴリシング・マスト・ゴー』と比較されてもおかしくないくらい、残されたメンバーの悲しみを乗り越えていくことがアルバムに現れている。その影響からか、非常に悲しみに満ちたメランコリックな楽曲が大半を占める。
 こちらからも「カム・バック・アラウンド」(全英14位)、「ジャスト・ザ・ウェイ・アイム・フィーリング」(全英10位)など、1曲のTOP10ヒット、2曲のTOP20ヒット、1曲のTOP30ヒット。
アルバムはプラチナ・ディスクに輝き、ベストセラーに。2003年末の自らヘッドラインを務めた英国アリーナ・ツアーでは遂にウェンブリー・アリーナに立ったのであった。
 そして、サポートドラーマーだった元スカンク・アナシーのマーク・リチャードソンを正式メンバーに迎えて制作された、今作『プッシング・センスズ』(全英2位!!!)は、今までの集大成的なものになった。前作で感じられた悲しみを背負ったメランコリック路線を押し進めたものであるが、そこに暖かさを感じずにはいられない。フィーダーらしいヘヴィ・ロックも収録されているし、先行シングル@の「フィーリング・ア・モーメント」(全英5位)にしてもそうだけど、もっとグラントのメロディ・メーカーとしての才能を評価されても良いのでは無かろうか。ダウンロード・フェスティバルでもトリを務めるまでにもなったバンドが、ジャパンツアーではクアトロ程度しか廻れないというのも何とも言えないものだ。

<お薦め度>★★★★
2005/8/30