POINT / CORNRLIUS
2001/10リリース TRATTORIA/POLYSTAR 

01. Bug(Electrric Last Minute)
02. Point Of View Point
03. Smoke
04. Drop
05. Anoter View Point
06. Tone Twilight Zone
07. Bird Watching At Inner Forest
08. I Hate Hate
09. Brazil
10. Fly
11. Nowhere

Produced by Keigo Oyamada

 ワタクシのテクノ師匠である、はにわ様よりリクエストがありましたコーネリアスのアルバムを紹介致します。(ホントはCM2なんだけど、まだ買ってないゴメン。)

 今や世界のコーネリアスとして、名を馳せる言わずと知れた小山田圭吾のソロプロジェクト。彼のキャリアは、1989年にフリッパーズ・ギター(当初5人組)としてデビュー。
あのオザケンこと小沢健二も在籍。フリッパーズは3枚のアルバムを残して、1991年に解散。解散後は、資生堂のUNOのコマーシャルに出演したり、ピチカート・ファイブやカヒミ・カリィ、エル・マロのプロデュースを手掛ける。(渋谷系と呼ばれていた頃ですね。)
現在まで、アシッドジャズにぽい『ファースト・クエスチョン・アワード』('94)、メタルネタ満載の『69/96』('95)、まさに音のディズニーランドと言っても過言ではない『ファンタズマ』('97)、そして今回紹介している『ポイント』('01)と4枚のオリジナルアルバムをリリース。全て、取り込む音が違っていながら、クオリティーが高いのは圧巻だ。

 特に、前作の『ファンタズマ』から、かのレーベル、マタドールと契約し海外でもリリースされ、2度に渡るワールドツアーを敢行。(余談だが、同時期にアラン・マッギーもクリエイションに誘ったのは有名な話)グラストンベリー・フェスティバルなどのフェスにも多数出演。
このアルバムでの評価が、近年でのリミックスワークにつながっていて、有名どころでBECK、STING、MANIC STREET PREACHERS、MOBY、BLURなどなど。

 『ファンタズマ』についての話は次回として、今回は最新作である『ポイント』について。この人の時代の最先端への嗅覚というのは、凄いものである。今回は水の音や鈴虫の鳴き声などをサンプリングし、自然の音への接近。所謂、音響系への接近である。ブライアン・ウィルソンへのオマージュとして取れるコーラス、ハーモニーの多重録音。
先行シングルであったACもマスに対して、充分通用するクオリティーを持ってるので、マニアックには終わってない。要はポップスとして成立するってことだけど。どう聴いても、メタルの影響を無くしては作れない高速スラッシュなG、ボサノバテイスト満載のカヴァーHまで、相変わらずバラエティに飛んでいる。
 とはいえ、前作くらいからなんだけど、歌詞は必要最小限に押さえていて、伝えることはインストとしての比重が益々多くなって行っている。
音の使い方がどのアルバムも実験教室なので、語弊があるかもしれないが70年代のPINK FLOYDなんかに似てるし、今一線で活躍している人に近い感覚の持ち主はBECKかもしれない。
聴けば聴くほど発見があるし、単純に面白い。
正に、音響系としても聴ける今作。プログレじゃないけど、秋の夜長にどうですか?


<お薦め度>★★★★
2003/9/16