LET IT BE...NAKED / THE BEATLES 
2003/11リリース APPLE/EMI

01. GET BACK
02. DIG A PONY
03. FOR YOU BLUE
04. THE LONG AND WINDING ROAD
05. TWO OF US
06. I'VE GOT A FEELING
07. ONE AFTER 909
08. DON'T LET ME DOWN
09. I ME MINE
10. ACROSS THE UNIVERSE
11. LET IT BE

Additional Disc
FLY ON THE WALL

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1970年にリリースされた、BETALES最後のアルバム『LET IT BE』。実際、最後のレコーディングアルバムは『ABBEY ROAD』になるし、所謂計画していて頓挫したものを無理矢理発掘したところがあるので、ファンとしては本来のオリジナルアルバムからやや定義がはずれてしまうところがあるが、シングル「GET BACK」「LET IT BE」の大ヒットによって、何とかオリジナルアルバムとして位置づけられている。実際は1969年に“ゲット・バック・セッション”で出来た曲(残骸)を、フィル・スペクターがプロデュースし、まとめたものをリリース。
このセッションでは、ジョン・レノンがジョージ・マーティンへ“あんたの装飾はいらない”や、セッション期間中には一時的だが、ジョージ・ハリスンがバンドを脱退し、1週間後にビリー・プレストン(Key)を連れてきてのバンド復帰など何かと逸話が残されている。

今年の1月、盗難にあってた1969年初頭のセッションのテープが500本見つかったというニュースが全世界を駆けめぐった。何かしら、未発表曲がリリースされるという期待をしていたのだが、映画『LET IT BE』のDVD化も噂される中、そのサントラ的なものとして新たに必要だということで、元々メンバー(ポールだと思う。ジョージはこの後、ソロアルバム『ALL THINGS MUST PASS』のプロデュースをフィルに依頼している。)は、フィルがテープのピッチを変えたり、ストリングスを足したりなど執拗以上の多重録音、“ウオール・オブ・サウンド”を良く思っていなかった。ポール・マッカートニーは本来(要は自分の思うとおり)の形で再リリースを画策。

ただ、このアルバム一筋縄ではいかない。普通のファンには、音がクリアになった。曲順が違う。「DIG IT」「MAGGIE MAE」を外して、「DON'T LET ME DOWN」を新たに追加した。@のシングルと違うとか、Cのストリングスが抜けたくらいしか分からないものだ。(自分だけかもしれないが)
実際は、ギターの差し替えや微妙なヴァージョン違い、要はリミックスアルバムってことになるんだけど。これは、近年にリリースされた『1』を初めて聴いてファンになった人向けではなく、完全なマニア向けだ。アルバム一通り聴いて、もの足りない人が次に聴くべきである。その次は『ANTHOLOGY』シリーズをどうぞ。

ボーナスディスクにセッションの様子も収録。

<お薦め度>★★
2003/11/21