天上の紅い華――情熱――

      天上の紅い華 ―― 情熱 ――

 

 秋の風が心地好い夕暮れの小道を、日番谷冬獅郎は上機嫌で歩いていた。

 秋の彼岸の中日である秋分の日を向えた今日、一日の業務が滞りなく終えられ、久しぶりに我が家へ帰る

ことが出来た彼の心は、家で自分を待ってくれているであろう愛しい者を思い、浮き立っていた。

 と、何気なく視線を向けた田の畦に、見事な彼岸花の群生を見咎めて足を止める。

 彼岸花、別名を曼珠沙華とも云うこの花はいつも秋の彼岸に合わせて開花する。

 ―――そういえば、と、日番谷は思い出す。

二年前の秋に、始めてあいつと逢った時も、真央霊術院の自分の部屋の庭にも、この花が咲いていたこと

を・・・。

 不思議な感傷に浸り、日番谷は暫し迷い、意を決すると、一群の中でも特に大振りで美しい一本の彼岸花

を手折り、微かな笑みを浮べて呟いた。

「・・・市丸、この花が好きだと良いけどな・・・」

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ。日番谷様」

 すっかり市丸の屋敷の家令になりきっているらしい吉良イズルが、玄関先で日番谷を出迎えた。

「ただいま。・・・市丸に変わりはないんだろうな?」

 一応の確認をすれば、吉良は躊躇なく『はい』と応えて日番谷を安心させてくれた。

 そんな吉良に労いの言葉をかけて家に入ろうとした日番谷を、吉良が慌てて止める。

「あ、あの、日番谷様、失礼ですがお手にお持ちの物は・・・」

 吉良の視線は、日番谷が手に持っている一輪の彼岸花に注がれている。

「あぁ、これか、この先の田の畦道に咲いてたんだ。綺麗だろ? 市丸に見せてやろうと思ってな」

「・・・そうですか。しかし彼岸花は・・・あまりよろしくないかと思いますが・・・」

「なんだ吉良はこの花が嫌いなのか? まぁ確かに好き嫌いの分かれる花だよな。『死人花』とか『墓花』

とか呼ばれてるし。―――でも俺は結構好きなんだ。スッと立ってる姿が綺麗で、市丸に似てる気がする

んだ。・・・あいつ、散歩が大好きなのに、少し前まではロクに外にも出られなかっただろ? だから少し

でも気休めになれば良いと思って摘んできたんだ」

 澄んだ瞳でそう云われれば、吉良にはそれ以上何も云えず、日番谷を通した後、彼は急いで厨房へと駆け

込んだ。

 

 

 

「大変だ。日番谷様が彼岸花を屋敷に持ち込まれた!」

 それを聞いた年過さの女中頭が小さく悲鳴を上げる。

「吉良様、どうしてお止めにならなかったんです?」

「―――お館様に見せたいと云われて仕方なく。・・・とにかく、皆、今日は火の始末を厳重に頼む!」

 その言葉に一同の者達がしっかりと頷いたのだった。

 

 

 

 

 

「ただいま、市丸!」

「おかえり、冬獅郎。・・・顔を見せてくれるのは十日ぶりやね。元気やった? 怪我なんかしとらんのや

ろねぇ?」

 自室で座椅子にゆったりと身体を預けて微笑み掛けている市丸に、抱きつかんばかりの勢いで日番谷が駆

け寄る。

「俺はなんともねぇよ。お前こそ体調は大丈夫なのかよ」

「もう安定期に入ってるし、つわりも治まったし、心配いらへんよ」

 市丸の長く繊細な指で、優しく髪を梳かれた日番谷は、それを聞いて安堵の溜息を漏らす。

 

 護廷十三隊、三番隊隊長の市丸ギンは男と女の性を併せ持つ半陰陽であり、この時、懐妊中であった。

 

「・・・冬獅郎、キミが手に持ってるんは彼岸花やないの?」

「ああ、そうだ。 お前に見せようと思って摘んできたんだ」

 目の前に差し出された一輪の花に、市丸は何とも微妙な表情をする。

「それはおおきに。・・・ところでイズルにイヤな顔されへんかった?」

「・・・実は困らせたみたいなんだが、この花、お前も嫌いなのか?」

 少し心配そうに尋ねる日番谷に市丸は緩く首を振った。

「そやないよ。好き嫌いで云うたら、大好きやよ。―――けどな、彼岸花は別名『火事花』云うてな、家の

中に持ち込むと火事になる云われとる花なんよ」

 その市丸の言葉に日番谷が驚愕する。

「そんな、俺、知らなかった!」

 どおりで吉良が良い顔をしなかった訳である。

「心配はいらんよ。火の用心に気を付けたらええだけや。まぁその辺はイズルがもう皆に手配しとるやろ」

 どうしようかと慌てる日番谷の背を優しく撫ぜて、市丸が微笑む。

「冬獅郎はボクの為にこの花を持ってきてくれたんや。なんも悪いことはあらへん。安心しいや。それと、

ほんまにおおきにな」

 それを聞いて日番谷も強張っていた肩の力を抜く。と、安心感と同時に喜びが胸に沸く。

自分の思い遣りは正しく相手に受け止められたのだ。

 

「この白磁の花瓶がええね。冬獅郎、水を入れてくれる?」

「ああ!」

 立ち上がり、部屋の床の間に飾ってあった一輪挿しの花瓶を持って戻ってきた市丸に即され、日番谷が花

瓶に手を翳せば、忽ちに花瓶の淵まで水が湧き出した。

「・・・・・何度見ても凄いなぁ」

「そうか? 俺にとっちゃ普通のことだけどな」

 氷雪系最強の斬魄刀に選ばれた天才児は、自分の思うがままに水を出現させることが出来た。

 本来ならば高価な観賞用の白磁の花瓶に、野の花などを生けるのはもったいないのであろうが、日番谷の

持ち込んだ彼岸花は凛とした気品で、決して白磁の花瓶に引けを取らなかった。

「綺麗やね」

「ああ」

 二人して微笑みを浮べる。

 

 

 

「失礼致します。ご夕食をお持ち致しました」

「お入り」

 吉良の声に市丸が応えを返すと、吉良を先頭に、女中二人が御膳に乗せた食事を部屋へと運び込む。

「吉良、さっきは悪かったな。俺、彼岸花のこと知らなくて、お前を困らせたんだな」

「お気になさいますな。大丈夫でございますよ」

 日番谷の謝罪に吉良は慈しみを籠めて微笑む。

 日番谷が真央霊術院を卒業し、護廷隊に入隊した当初は、共に五番隊の三席として火花を散らした時期も

あった二人だが、今は市丸を中心としてその蟠りもすっかり消えていた。

「今日は日番谷様が御戻りになられると知らせがありましたので、あなたの好物ばかりをご用意致しました

どうぞ、お召し上がり下さい」

「本当だ! 美味そうだな」

 子供そのままに、御膳の上のご馳走に目を輝かす日番谷に場が和む。

「どうぞごゆっくりお召し上がり下さいませ」

 

 吉良たち三人が立ち去った後、日番谷は市丸と差し向かいで談笑しながら美味しい食事を愉しんだのだった。

 

 

 

「冬獅郎、一緒にお風呂に入ろうか?」

 夕食の膳が下げられて程なくした頃、湯殿の仕度が整ったのを吉良が知らせにくれば、市丸は自分の側で

寝転んで本を読んでいた日番谷にそう声を掛けた。

「うん!」

 勢い良く飛び起きて返事をする日番谷に市丸はクスリと笑った。

 

 

 

 

 

 護廷隊の一隊を担う市丸の屋敷は、中流の貴族と比較してもなんら遜色のない規模と品格があり、その湯

殿も又、大人がゆうに五人はゆったりと入れる程の立派な物であった。

 その湯船から白い湯気が霧状になって立ち上っている。

「ボクが隊長の業務を離れてからは、三番隊の面倒まで見てくれているんやてね。冬獅郎は隊長になってか

らまだ半年たたんで、不慣れな事も多いやろうに、ほんま、おおきにな」

 日番谷の手で身重の身体と、自慢の銀糸の髪を丁寧に洗ってもらった後、檜の湯船に腰まで浸かりながら

、労いの言葉を掛けてくる市丸に日番谷は、いや、と首を振る。

「三番隊はお前の家族だろ。お前の家族は俺の家族だ!」

 大真面目に応えながらも日番谷の目は市丸の身体に釘付けだった。

 

 市丸は半陰陽の特徴として、男女双方の特徴をその身に備えている。

 その肩は広いと云っても良かったが、薄く、女性のように丸みはないが華奢であり、鎖骨が綺麗に浮き出

ている。そしてその下に続く形の好く、質感も充分な乳房。さらに視線を下向させれば、引き締まった細い

腰が写り、子を宿した証拠としてのやや張り出した腹、やがて成人男性と変わらない男根が写る。

 初めて市丸の身体を目にした時、日番谷は大層驚いたが、不思議と嫌悪感は微塵も無かった。そして市丸

を好きだという気持ちにも一波の小波も起たなかった。

 

 だだ純粋に綺麗だと思ったのだ。

 

「ふふっ・・・そないに見つめられたらボクの身体に穴が開きそうや」

 市丸の笑いを含んだ言葉に日番谷がぼっと頬を赤らめ、少し悔しそうに俯く。そんな日番谷の反応を愉し

んだ市丸はその豊かな胸を開いて、愛しい少年を誘った。

「おいで、冬獅郎」

「―――市丸!」

 両手を広げて迎えられた日番谷は、少し張り出した腹に気を付けながらも、一糸纏わぬ身体で市丸に抱き

つき、唇を合わせ、夢中で舌を絡め、吸い上げた。

 ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・と、湯殿の天上から滴り落ちる水滴の音にも劣らぬ激しい水音が二人の口元か

ら発せられている。

 長い、長い、くちづけ・・・。

 

「・・・・・んぅ・・・ふぅ・・・」

「・・・はっ・・・・・っ」

 

やがてくちづけを解いた二人の瞳は互いに対する情欲に濡れていた。

「・・・市丸」

「ええよ、冬獅郎」

 了解を得るような上目遣いの日番谷の視線に市丸が鷹揚に頷く。

 市丸が頷いたと同時に、日番谷は市丸の張りのある乳房の片方にむしゃぶりついていた。

「市丸、市丸!」

 相手の名を呼びながらも乳房を鷲づかみ、紅い乳輪に熱い舌を絡め、口一杯に含んで吸い上げる。そして

もう一方の乳房を小さな掌が処狭しと這い回り、捏ね回した。

 市丸はそんな日番谷の白銀の頭をさも愛しげに撫ぜている。

「冬獅郎はほんま、ボクのおっぱいが好きなんやねぇ」

 日番谷はその言葉に一瞬顔を上げ、又、乳房への愛撫を再開する。

・・・男なら誰だって―――まぁ、女嫌いの奴を除けばであるが、女の胸は見るのもさわるのも大好きだ

ろう。でも、誰の胸でも言い訳では決して無いと思う。とびっきりの美乳である市丸の乳が自分の好みに

合っているのも確かだが、自分がこんなに夢中になるのは相手が市丸だからこそだ。でも今はそんな議論

で時を消費するのは勿体なかった。

「お前の乳、またでかくなったんじゃないか?」

 二つの乳房を寄り合わせ、両手で捏ね回しながら尋ねれば市丸は困ったように小首を傾げた。

「そうなんよね。『やや』の成長に合わせるように大きくなってきて、重たくてかなわんわ。・・・お乳が

一杯詰まってるんやろか?」

 市丸の冗談に日番谷の瞳に期待の光が宿る。それを感じた市丸がクスリと笑う。

「お乳が出るようになったら冬獅郎にも飲ませてあげような」

「本当か!」

 喜びに輝く顔に、さらにクスクスと笑う。

「でも、『やや』の分まで取ったらアカンよ?」

「そんなことしねぇよ! ちゃんと赤ん坊の分は残しとく!」

「・・・・・・・」

「――――あ、いや、俺は、余った分でいい・・・」

 自分の顔色を伺って、慌てて言葉を訂正した日番谷に市丸は真紅の瞳を細めた。

「冬獅郎はほんまにええ子やね」

 再び白銀の髪を撫でる市丸の手は本当に慈しみに溢れるものだったが、日番谷はあえてその手を振り払っ

て市丸から一歩下がった。

「子供扱いすんなよ! 俺はお前と番(つがい)になりたいんだ!」

「冬獅郎・・・」

「なぁ、お前の胎の子は俺の子なんだろ?・・・そうだと云ってくれ、市丸! そして、俺と結婚してく

れ!」 

必死の日番谷の懇願に市丸は溜息を付く。

「冬獅郎、何べんも同じことを云わすんやないよ。ボクが『お付き合い』しとったのはキミだけやないって

知ってるやろ? この子の父親が誰かなんてボクにも判らへんよ。それにボクは誰とも結婚なんてする気は

ないんよ」

「・・・だって・・・そしたら、産まれてくる子に父親がいないってことになるんだぞ?」

 少し躊躇しながらも云った日番谷の言葉に、市丸の瞳がキラリと光る。

「―――ボクは護廷十三隊、三番隊の隊主や。そのボクが産んだ子に向って、私生児やなんて、誰一人後ろ

指差させへん!」

 きっぱりと言い切る市丸に気圧されながらも、ここで云い負ける訳にはいかないと日番谷も踏ん張った。

「でも、俺の子の可能性が高いんだろ? お前は今まで懐妊したことがなかったんだろ? でも俺と『シて

』直ぐに妊娠したじゃないか」

「・・・冬獅郎」

 市丸が再び嘆息する。

 

 日番谷がここまでゴネるには訳がある。

 元々、霊子体である死神の女性が妊娠するのは非常に稀なことであり、よほど二人の肉体と精神の両方の

相性が良くなければ無理だと云われており、またその際の絶対的条件として、身ごもる女性よりも、相手の

男性の霊圧が高いということが挙げられる。

 つまり、隊長である市丸に懐妊させることが出来るのは、市丸よりも高い霊圧を持つ者だけであり、おの

ずとその相手は絞られるのである。

 

「・・・・・ごめん。お前を責めるつもりも、困らすつもりもないんだ。―――もし、お前の胎の子が藍染

の子でも俺は構わないんだ。・・・俺、その子のこと絶対に可愛がって大事にするって誓う! その子が俺

のこと、お前の伴侶だと認めてくれるように精一杯努力する! だから、頼む、俺と結婚してくれ市丸!」

 他の男の子でも構わないと云われたことに感動しながらも、それを表に出さずに市丸が問い掛ける。

「冬獅郎はなんで結婚なんてものに拘るん? 護廷隊の死神で結婚してる者なんてそうはおらへんのやで」

 市丸のいう通り、護廷隊では一人が複数の愛人を持ち、その間を渡り歩くのがあたり前のこととなっていた。

「だって結婚すればお前は俺のものだって、皆が認めて祝福してくれるんだろう?」

 そう尋ねる日番谷は見掛け程幼くはないものの、やはり十代半ばの柔らかく傷つき易い心を持っている。

その心を傷つけまいと多くの死神達が日々心を砕いていた。

「・・・あのな、冬獅郎、キミが成人の身体を手に入れられる頃にはボクはきっとヨボヨボやよ。キミが結

婚というもんに憧れとるのは判るけど、どうせならもっと若くて可愛い普通の女の子がええんと違う?」

 そう云われた日番谷の中に遣る瀬無さが湧き上がる。

 

 市丸とでなければ意味が無いのに、どうして自分のこの想いは相手に伝わらないのだろう。悔しさで涙が

滲んでくる。

 

 市丸が好きだ!

 

 誰よりも好きだ!

 

 愛しているんだ!

 

 そう叫び出したい。

 

 五番隊の副隊長として、真央霊術院の学生だった自分をスカウトにきた市丸を一目見た時から、自分の心

は市丸のことで一杯になった。だからこそ副隊長の席を用意するという他の隊の誘いまで蹴って、五番隊の

三席として入隊したのだ。そして市丸に釣り合う身分を得たい一心で技と心を磨き、護廷隊史上の最年少、

最速記録を更新して隊長にまで上り詰めたというのに。

 

「――――冬獅郎。キミ泣いとるん?」

 俯いたまま顔を上げようとしない日番谷を気遣って市丸が近づく。

「・・・違う。こっちくんな!俺の顔を見るな。・・・どうせ俺はガキだよ。お前、俺のこと本当は頼りな

いって思ってんだろ? ―――お前なんか嫌いだ。 バカ!」

 市丸は自分から顔を背けて逃れようとする日番谷の身体を腕の中へと囲い、抱き締めた。

「キミを悲しませたんやったら堪忍や。・・・けどな、ボクは冬獅郎が大好きやで」

「・・・・・」

「それにキミのこと頼りないなんて思うてへんよ。むしろその逆やで。キミはボクの自慢の恋人や!」

「・・・」

「ボクはキミと結婚はせえへんけどな。ボクが他人と一つの屋根の下で暮らすんはキミが初めてなんよ。知

っとった?」

「・・・・・うん」

「キミがボクにとって『特別』なんは間違いあらへんのやで」

「・・・うん」

 市丸の懐妊が発覚した時、息せき切ってプロポーズし、結婚を迫った日番谷に対して出した市丸の応えは

『ボクは誰とも結婚なんてせえへんけどな、冬獅郎さえ良かったらボクの屋敷にキミの部屋を用意するから

ボクと一緒に住んでくれへんか?』というものだった。

当然、日番谷は二つ返事でその提案に飛び乗った。寝食を共にし、折を見て市丸を懐柔するつもりだった

が、敵は日番谷よりも更に上手であり、もう何度も上手く交わされ続けて今に至っていた。

 

「なぁ、冬獅郎、仲直りせえへん?」

「うん」

 耳元で囁かれた甘い声にコクリと日番谷が頷く。

「ほんなら、後の縁にお座り」

「ああ」

 云われるまま、日番谷は檜の湯船の縁に腰掛け、足を開く。その中央で可愛らしいモノが揺れていた。

「嗚呼、可愛えわぁ」

 市丸は日番谷の前に屈むと、細い足を更に大きく広げ、先程からの興奮で芯を持ち始めている幼い性器を

口に含んで舌で舐め回し、その下の柔らかな袋を掌に包んで撫で回した。

「―――ん―――・・・イイっ」

 日番谷が感じ入った声を上げ、忽ち細い腰が揺れ始める。

「あ―――っ! 市丸! 市丸!」

 眼を閉じて顔を上向け、市丸の銀糸に指を絡めて日番谷が悶える。その様は幼形の者とは思えぬ程艶かし

く、その声は耳に心地好い。

 やがて・・・

「・・・んんっ! もう・・・イク―――っ」

 ビクンと伸び上がり、ついで痙攣したかのように幼い身体をピクピクと振わして日番谷は市丸の口内に射

精した。

 注ぎ込まれた全ての精液をゴクリと飲み干して市丸が顔を上げる。

「気持ち好かった? 冬獅郎」

「ああ」

 整わない息のまま返事をする日番谷に市丸は「好かったなぁ」と微笑む。

「・・・場所交代しようぜ。今度は俺がお前にする」

 市丸が懐妊し、体調不良を訴えてからは二人は身体を繋いだことはなく、口内での愛撫や手を使ってのお

触り程度で相手の身体を慰め合っていた。

「ん・・・それがな、ボクこれ以上お湯に浸かっとったら湯あたりしそうなんや、やから気持ちは嬉しいん

やけど、続きはお部屋に帰ってからせえへんか?」

 市丸の提案は日番谷にとっては実は渡りに船だった。

 日番谷はてきぱきと己の身体と髪を洗い終えると、市丸を伴って湯殿を後にしたのだった。

 

                                                    続く



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