利 田 荷 方 節 古 今 歌 詞 集


昭和34年
資料記載
 [ 五 七 七 七 五 調 ]
あら玉の 年はかわれど 変わらぬものは 主の心と わしがむね

あつかんで どうぞ一口 のませておくれ 正気でいわれぬ こともある

朝咲いて 宵にしおれる 朝顔でさえ はなれまいとて 手を握る

朝顔は ばかな花だよ 根のない竹に 命ささげて からみつく 

ほととぎす たしかに鳴いたと 部屋の戸あけて 見ればこよいは 月明かり 

朝の出に たずなとりつつ 山々見れば こがねまじりの 霧がふる
(たずなとり 朝の出がけに) 

主の船 来るか来るかと 川しも見れど 河原よもぎの かげばかり

昭和42年
採録掲載
 [ 五 七 七 七 五 調 ]
しらさぎは 小くびかしげて 二の足ふんで しあん顔して 水かがみ


昭和34年
資料掲載
 [ 七 七 七 五 調 ]
地蔵尊なら あの利田の地蔵 わが子そだての 乳を出す 

日置かわらの 一むらすすき いつか穂が出て みだれあう

わらじ買うまに つれ衆の笠が 遠く絵になる 春霞

めでためたで いま飲む酒は 天の岩戸の 清の水

酒はよいもの 気をいさませて のめば五色の 色を出す


昭和42年
採録掲載
 [ 七 七 七 五 調 ]
馬にほれねど 馬方さまが つけた荷物の 程のよさ

舟のともづな しっかりと握り 主はいま出て いつかえる

駒は名物 風吹くたびに ひんといななき 尾筒ふる
昭和47年
採録掲載
めでためでたの 若松さまよ 枝もさかえる 葉もしげる
(末は青葉で もりあがる)


 [ 五 七 五 七 五 調 ]
夢ならば さめてくれるな いつまでも 二度と見られぬ この夢を
 [ 五 七 五 七 五 七 五 調 ]
世の中に めでたく咲くのは 栗の花 花も長けりゃ 葉も長い 末は実となり 
円くなる


昭和34年
資料掲載
 [ 七 五 調文句入り ]
池のめぐりに 田を植えて 一株刈れば 千束 二株刈れば 二千束 三株四株と
数刈れば 万々束と 数しれず 石につもれば ふじの山 
酒につくれば みりん酒 その酒ちょうだいする人は 寿命長かれ 末はんじょう

昭和42年
採録掲載
 [ 七 五 調文句入り ]
春三月の うぐいすが ひろい都へ さんじます 都の町も ひろけれど 
一夜の宿は とりかねて うらの浜べの 松の木の 松の小枝に 巣をつくり 
十二の卵 うみそろえ やがて目があき 羽がつく 親子もろとも たつときにゃ 
金の盃 銀のちょうし のめば大黒 うたえば恵比寿 中の酌とり 福の神

岩瀬はなれて 鴨の茶屋 水橋といえど 木でかける 滑川といえど 町ならび 
ここは魚津のさかなや店 とう留しようなら ここがよい あすは泊の国ざかい


昭和34年
資料掲載
 [ 五 七 調文句入り ・その他文句入り ]
世の中で 目出度く咲くのは あの芋の花 茎は長くて 葉は広く
朝晩こがねの 玉をなし 孫子の末まで ごはんじょう

こなたのやかたは 目出たいやかた 上から鶴が まいさがり
下から亀が舞い上がり 鶴と亀とのまい遊び

こなたのやかたは めでたいやかた 庭の泉水 ながむれば 
お船が三ぞう いり来たる 一番船の つみものは 金銀さんご 山とつみ 
二番船をば ながむれば 大判小判 山とつみ 三番船の つみものは
お米をどっさり 山とつみ 大黒様の 船頭にて こなたのやかたへ 入り来る


昭和47年
採録掲載
 [ 五 七 調文句入り ・その他文句入り ]
盃の 台のめぐりに 菊の木植えて 根もきく 葉もきく 花もきく 
わたしゃあなたの 無理もきく

世の中で めでたきものは あの芋のずき 茎が長くて 葉も広く 朝晩黄金の
玉をなす 末は孫子で おめでたい
(孫子の末まで御繁盛)

こなたの館は めでたい館 庭の陋地を 眺むれば 上から鶴が 舞い下がり 
下から亀が はい上がる 鶴と亀との 舞い遊び

こなたの館は めでたい館 はるか床の間 眺むれば 金の銚子に 銀の銚子
金の銚子にゃ 金がなる 銀の銚子に餅がなる
末は金持ち ちょうしで おめでたい

こなたの館は めでたい館 高から鶴が 舞い下がり 下から亀が はい上がる
鶴と亀との 舞い遊び いかように 遊ぶと聞きぬれば 末は繁盛と 鳴いて遊ぶ

昭和60年
資料掲載

こなさんの舘は めでたい舘 鶴が御門に 巣を作る 右のはがいに 五百石
左のはがいに五百石 千石取るとは おめでたや

こなたの座敷は めでたい座敷 床の間なんぞを 見るなれば 
嘉納(狩野)峯玄軸をかけ 松竹梅の花活けて 
高から鶴が 舞いおりる 下から亀が 舞いあがる 鶴と亀とが 舞い遊び 

めでたいめでたい 三ツ盃は 下は宝来 中は梅 上は宝の玉くづし
酒はよい酒 みりん酒 飲めば此方が 大繁昌


 ・昭和34年資料掲載は、「立山地方の歌曲・民謡・わらべ歌」立山区域小学校教育協議会発刊
 ・昭和42年採録掲載及び昭和47年採録掲載は、「富山県の民謡」黒坂富治著書:北日本新聞創刊95周年記念出版
 ・昭和60年資料掲載は、「富山県民謡緊急調査報告書」富山県教育委員会発刊
以上による資料から、引用したものです。